不動産投資は、軌道に乗ると安定的に副収入が得られる反面、初期投資額が大きいため、ハイリスク・ハイリターンの投資方法と考える方もいるかもしれません。不動産投資の成否は、対象エリアでの賃料相場の把握で決まると言われています。
1. 賃料設定が不動産投資の収益を決める
不動産物件を購入する資金を始めから手元に持っている人はなかなかいないため、不動産投資は「借入金」前提の資産運用といえます。
銀行などの金融機関からの借入金は、利息を付けて月々返済しなければなりません。借入金を元手に購入した不動産物件は、賃貸住宅や店舗として貸し出して、居住者や店主から毎月家賃収入を得ます。その家賃収入から、金融機関への返済額を差し引いたものが、毎月のオーナーの利益となるのです。
毎月の返済額については、借入金額や返済期間・方法などの条件に応じて、完済までの返済計画が借入時に算定できます。これが大きく変更することは基本的にありません。したがって、不動産投資で成功するためには、投資物件から得られる家賃収入を、いかに高めるかが重要なのです。
家賃収入の額は「賃料設定」で決まります。所有するワンルームマンションの家賃が1万円違えば、年間12万円収入が違ってきます。家賃は1円でも高く設定できたほうが良いでしょう。
2. 賃料設定は入居者にとっての大きな関心事
それでは、賃料を高く設定すれば不動産投資の利益は上がるのかと言うと、そうではありません。物件の家賃設定がその近隣エリアの賃料相場と「ズレ」ていると、物件は入居者から敬遠されてしまい家賃収入はゼロとなります。
多くの入居者にとって、賃貸物件を探す際に「家賃」は一番重要な条件です。大手不動産情報サイトでも、物件検索画面の入力項目の最上部には「賃料」の項目を設定しています。そして同じエリアの同様の物件よりも、突出して家賃が高ければ候補から外されてしまいますし、逆に安すぎても「『訳あり』の物件なのでは?」と勘繰られて敬遠されてしまいます。
このように賃料設定は家賃収入にダイレクトに影響するだけでなく、物件の入居率を大きく左右するのです。適切な賃料設定をするためには、物件近隣の「賃料相場の把握」が、非常に大切なポイントとなるのです。