3. 賃料相場の把握はどうすれば良いのか

特定エリアの賃料相場を把握する方法は様々です。その地域の不動産会社やチラシ、タウン誌などで公開されている物件広告を見渡せば、ある程度の相場を把握できます。また、インターネットを活用するのも一つの方法です。

ただ、これらの手法だと文字通りの「相場」を知ることはできますが、不動産投資でより大きなリターンを得るためには、賃料相場を踏まえて、「入居者に敬遠されない程度の、少し高めの家賃設定」にすることがポイントです。これには広告やネットの情報だけでは十分でありません。そこでお勧めするのが、不動産業者などの専門家に相談することです。

「少し高めの家賃設定」を見極めるのはとても難しいものです。不動産投資の実績はもちろん、不動産業界でのネットワークも幅広い情報を得る上で欠かせないものです。これらに長けたプロの業者と信頼関係を築くことで、正しい賃料相場の把握と、「賢い」家賃設定が可能となります。できることなら、投資物件を購入する前から、こうした業者と想定家賃を組み立てた上で、売買契約を進めたいものです。

4. 日本の人口は減少の一途に

最後に日本の人口減少と住宅市場の動向について触れておきます。総務省が2016年2月26日に発表した国勢調査速報によれば、2015年10月の日本の人口は、1億2711万人で、5年前の調査と比べて94万7000人余り減りました。国勢調査で人口が減少したのは、調査開始以来初めてで、総務省は「日本は人口減少の局面に入った」としています。

これまでの日本は都市圏を中心に人口が増加傾向にあり、住宅市場は活況だったと言って良いでしょう。そのため、賃料相場から家賃設定が多少「ズレ」ていて、入居率に影響があったとしても、さほど問題にはならなかったかもしれません。

ところが今後、日本の人口は以下のデータのように減少を続けて、2050年には1億人を切ると予測されています。

図1
出典:内閣府 平成24年高齢社会白書(全体版)

日本の不動産需要は外国人も含まれています。一概にこのデータと不動産市場の動向が同じになるとは限りませんが、それでも入居希望者が少なくなるのは必至で、住宅市場においては大きな課題です。

だからこそ、これからの不動産投資は、減少傾向にある入居者を確実に獲得する、空室期間を少なくする、費用対効果を高めるといった取り組みがより一層必要となります。「物件エリアの賃料相場の把握」と「適切な賃料設定」は、まさにその取り組みの最たるものです。優れた専門業者とパートナーシップを築き、安定した不動産経営を実現しましょう。(提供: 不動産投資ジャーナル

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