21日の東京株式市場では建設セクターを中心に、経済対策関連株への買いが広がった。政府が事業規模20兆円超の大型経済対策に踏み切る、と伝えられたことがきっかけ。

この経済対策は、9月に召集される予定の臨時国会に提出される第2次補正予算に盛り込まれる見通しだ。民間企業や政府系金融機関の行う事業が含まれているとはいえ、従来、10兆円程度とみられてた事業規模が倍増するという「サプライズ」の材料をマーケットは素直に好感。

建設株に高値続出、鉄建は大関門突破

大成建設 <1801> 、清水建設 <1803> 、鹿島 <1812> の大手ゼネコンが高値を更新。東急建設 <1720> 、不動テトラ <1813> も新高値を付け、港湾などインフラ整備の進展期待から海上土木トップの五洋建設 <1893> は2015年8月以来、11カ月ぶりに600円台を回復。業種別日経平均・建設株指数は一時、1189.6ポイントまで上昇し、1996年7月以来の1200ポイント台乗せは時間の問題となってきた。

個別建設株のうち、勢いの良さが目立ったのが鉄建 <1815> だ。この日は一時383円へ跳ね上げ、週足・一目均衡表の先行スパン上限である355円(21日現在)をクリアし、昨年3月以来の大関門を突破した。13週、26週、52週の各移動平均線もそろって上向き、株価の中・長期トレンドの陽転も鮮明になっている。

同社の筆頭株主はJR東日本 <9020> で、古くから緊密な関係を保っている。登記社名の「鉄建建設」が示す通り、鉄道の建設は、まさに十八番(おはこ)。JR東海 <9022> によるリニア中央新幹線工事でも有力な関連銘柄として絶えず俎上(そじょう)に上ってきたが、いかんせん今春までの軟調相場では下りエスカレーターを上るようなストレスに苛(さい)なまれてきた。しかし、参院選で与党大勝を確認した7月11日から、反撃相場がスタート。リニア中央新幹線の大阪延伸前倒し計画が進むことへの期待感増幅もあって、400円台に向かって、さらに上値を追う可能性が高い。

今3月期は連結営業利益56億円(前期比3.13倍)、経常利益52億円(同97.9%増)、純利益32億円(同2.51倍)が会社側の計画ラインだ。8月5日には今期第1四半期(4?6月)決算を発表する予定。通期予想の超過達成を予感させる出足3カ月の数値となるだろう。(7月22日株式新聞掲載記事)

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