オススメ,金融本,経済本
(画像=Webサイトより)

ビジネスパーソンに不可欠な金融・経済に関する知識を身に着けるには、書籍が一番だ。毎日忙しく過ごしていると「本を読んで学ばなければ……」と思いながらも、時間が取れずに後回しになっているという人も多いだろう。

夏休み、盆休みと、これからちょっと時間ができる人も多いはず。この機会に書籍を読んでしっかりと基本的な知識を身につけてはどうだろうか。

そこで今回は、初心者がまず読みやすく学べる金融・経済本を4冊選んでみた。読むといい順番で紹介するので、興味を持たれたら紹介順で手を取ってみてはいかがだろうか(価格は紙版、税込み)。

会計では分からない企業の「これから」を知るにはファイナンスの知識も

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『ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務』
(石野雄一、光文社新書、778円)

「経済」といっても様々な見方がある。まずはもっともビジネスマンに身近な「ファイナンス」から学ぼう。ファイナンスとは、主に企業の投資判断に役立てることができる理論だ。企業の成績を見るには、会計の知識が重要であることはよく知られている。実際、書店に行けばたくさんの会計の入門書や、決算書の読み方、といった本を目にするだろう。しかし、会計で分かるのは企業の「これまで」であり、「これから」を考えるにはファイナンスの知識が必要である。

『ざっくり分かるファイナンス』は、金融機関出身で現在コンサルタントとして活躍する、ファイナンスのプロフェッショナルが著者であり、ファイナンス理論の基礎について、まったくの初心者向けに書かれた本だ。新書なので、通勤中にさくっと読むことができる。

決算書には現れない「株主資本コスト」の求め方や、株式発行のコストと融資・債券発行のコストの加重平均である「WACC」の求め方、投資判断において外せない指標である「IRR」や「NPV」の求め方など、ファイナンス理論の基本が丁寧に解説されている。

この後は同じ著者による中級者向け『道具としてのファイナンス』を読むといいだろう。この本はExcelを用いて学習できるように工夫されており、それぞれの理論をExcelで計算して試しながら学べるため、学びがより実践的になるはずだ。

高度な数学をできるだけ使わずに金融工学を学ぶ

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『文系人間のための金融工学の本』
(土方薫、日本経済新聞社、1728円)

「完全な一つのリンゴではなく、傷ついたり欠けたりしているリンゴの価格はどうやって決まるのか?」

これは金融工学、それもデリバティブ理論で解決することができる問題だ。金融工学は高度な数学を使う分野だが、その考え方はそれほど難しくはない。しかし、多くの本ではいきなり数式を用いて説明されるため、数学に日常的に触れていない方には難しいだろう。

この本では、「文系人間のため」とあるように、極力数式を使わずに金融工学の基本的な理論である「スワップ取引」、「オプション理論」、金融工学を使った会社の「リスクマネジメント」などが説明される。世の中の多くのものが金融商品化され、フィンテックが新たなビジネスチャンスを生み出している現在、金融工学でマーケットを動かす原理を理解することはとても大切だ。