米国における金融セクターのデジタル広告への投資額が、73億1000万ドル(約7406億4920万円)に達した2015年。2016年は14.5%増の83億7000万ドル(約8480億4840万円)、2020年には124億4000万ドル(約1兆2564億円)まで伸びると見こまれている。

金融セクターのデジタル広告投資は年々増加傾向にあり、リーテイルと自動車セクターに次ぐトップ3市場に成長を遂げた。

中でも銀行関連のデジタル広告に莫大な投資が相次ぎ、何億ドルという金額を投じる企業が目立つ。

2015年はキャピタル・ワン、JPモルガンが約300億円づつ投資

デジタル広告とは、インターネットに代表されるデジタルネットワークを通して、消費者に商品やサービスを紹介する手段である。

一般的なものではEメール、SNS、ウェブサイトなどによる直接広告から、オンラインのバナー広告、ソーシャルメディア、アフェリエイトまで、様々な形体で消費者の生活の一部として浸透している。

従来のチラシやダイレクトメールといった「一方的な広告」から、消費者密着あるいは参加型のデジタル広告が主流となった近年、最も効率的な手段でメッセージを発信する重要さに、多くの金融機関が関心を示している。

英市場調査会社、Kantar Mediaのデータによると、昨年は米キャピタル・ワン・ファイナンス・グループが金融セクターでは最高額となった2億9700万ドル(約300億9204万円)、次いでJPモルガン・チェースが2億5930万ドル(約262億7227万円)を、デジタル広告改革に投じた。

投資総額の伸びは18.9%増だった昨年がピークという見方が強いものの、今後も12%前後を維持した順調な成長が予想されている。