ニッセンHD、業績不振続きセブン&アイが完全子会社化

それでは「高PBRランキング」から、ニッセンHD、LINE、IBJについて見ていこう。

ニッセンHDは京都市に本社を置くカタログ通販大手で、2014年にセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入った。

セブン&アイHDは、利用客がグループ会社の商品をどこでも入手できるようにするオムニチャネル戦略を構築するため、通販業のノウハウを持つニッセンHDを傘下に収めた。だが、傘下入り後も競争力が高まらず、リストラが先行し業績が低迷していた。

セブン&アイHDは8月2日、抜本的な改革が必要と判断し、株式交換による完全子会社化を発表した。ニッセンHDが同日発表した中間決算では、利益剰余金の減少などにより、バランスシートの純資産が6900万円と、半年前の前期末時点のおよそ100分の1に急減した。純資産を発行済み株数で割ったものがPBRの分母であるため、PBRが急上昇した。

日本経済新聞が8月2日の朝刊で子会社化の方針を伝えたため、ニッセンHD株はストップ高となった。しかし同日引け後に、ニッセンHD1株に対しセブン&アイHD株0.015株を割り当てる交換比率が公表されると、これにさや寄せする形で株価は急落した。

LINE、成長のかぎは海外ユーザー拡大策

LINEはメッセージアプリの国内最大手。7月14日にニューヨーク証券取引所、15日に東証1部に新規上場した。現時点では今年最大規模の上場だ。

東証の新規上場日は、売り出し価格3300円に対し初値は4900円でスタートした。同日中につけた5000円が最高値で、その後は商いの規模が細り、株価も4000円をやや下回る水準まで下落している。

LINEが7月27日に発表した2016年6月中間の連結決算は増収増益となった。スタンプ販売や広告収入が好調だった。業績には安定感があるが、海外のメッセージアプリ市場はワッツアップなど競合会社がシェアを広げている。LINEの今後の成長は、海外でのユーザー拡大策にかかっている。

IBJ、婚活サービス好調で成長期待高まる

IBJは婚活サイトを中心に、結婚情報サービスを運営する新興企業だ。

7月に婚活会員数が前年同月比31.1%増の49.5万人となり、直営の結婚相談所の入会件数は過去最高を記録した。7月23日には日経新聞がIBJの2016年6月中間の単独税引き後利益が従来予想を上回る3億5000万円になると報じた。マーケットでは、同社への成長期待から株価が上昇した。(ZUU online 編集部)

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