国民1人あたりのGDP成長率とキャッシュレス化は比例する
調査の対象となった2015年のデータでは、スペインの現金決済率が最高で29%を記録。次いでイタリア(22.3%)、ポルトガル(21.6%)、ドイツ(21.4%)、マルタ(20.9%)だ。
逆に15カ国中6カ国では10%をきっており、すでにスイスなどでは5%にも満たないことから、12.8%という平均値が2020年には9.8%まで落ちると見られている。
レポートの中では、経済発展国と成長が鈍化している国におけるキャッシュレスの進展に、大きな格差が広がる点も指摘されている。
国民1人あたりのGDPが高いWU-15カ国(スイス、ルクセンブルグ、アイルランドなど)の国民1人あたりの平均GDP成長率は4万1300ユーロ(約467万2430円)、現金決済の割合は10.3%であるのに対し、国民1人あたりの平均成長率が低い5カ国(スペイン、ポルトガルなど)では2万4200ユーロ(約273万7840円)で20.2%と、約2倍もの差があいている。
PYMNTS.comは、現金決済の正確なデータを把握している政府機関が少なく、決済として利用された現金の測定が非常に困難である点を指摘したうえで、キャッシュレス化の格差が、「経済的に発展した国ほど、デジタル決済に投資できる環境が整っている」のが原因ではないかと推測。
また経済大国ほど、キャッシュレス化への促進が盛んであることも、消費者の意識を現金から代替決済に向ける要因となっている。
しかし「バイクや車が出現した後も自転車が変わらず愛用されているように、代替決済とともに現金も利用され続けていくだろう」とPYMNTS.comは結論づけている。(ZUU online 編集部)
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