tyokin
(写真=PIXTA)

他の投資手段がそうであるように、比較的ローリスクとされる不動産投資にも、さまざまなリスクは存在します。空室リスクや金利変動リスク、経年劣化など、一つ間違えると、所有物件が赤字を出し続ける「負の資産」になる危険性も否定できません。

しかし、短期間の空室や金利変動で不動産経営が赤字に転落するかどうかは、「自己資金比率」が大きく影響します。つまり、借入金を抑えて損益分岐点の低い経営が出来れば、少々の環境変化でも赤字転落は回避できます。

不動産投資を始める時に、1,000万円の自己資金があると非常に余裕を持って経営ができます。しかし、普通のサラリーマンに、1,000万円もの自己資金を作ることは可能なのでしょうか? 答えは「可能」です。そこで今回は、その方法について考えていきましょう。

1,000万円は生涯消費額のたった5%

一般的な家庭において、一生の間に使うお金(生涯消費)は、現在2億円超といわれています。つまり、1,000万円といっても生涯消費からすれば、わずか5%に過ぎません。月に20万円使う家庭で1万円を貯蓄するレベルです。

とはいえ、月1万円の貯蓄でも、食費を削ったり、電気代を抑えたり、こまごまとした方法では、苦しいばかりで長続きせず、なかなか貯蓄できないでしょう。1,000万円を貯蓄するためには、大きな支出を見直すことが重要なのです。

家計の中で大きなウェイトを占めるのが、家賃や住宅ローンなどの住居費でしょう。毎月の出費なので、これをいかに抑えるかが最大の鍵となります。賃貸の場合、10年間はあまり条件がよくなくても、家賃の安い「遠くて古い物件」で我慢する方法をお勧めします。もし家賃で5万円を浮かすことが出来れば、10年間で600万円という金額になります。これだけで目標額1,000万円の6割を貯蓄できてしまうのです。

会社から家賃補助がある場合は「補助があるから」と、近くて新しくて広いけれども家賃が高い物件を選ぶのではなく、「自己負担額がより少ない物件」を選ぶことが鉄則です。

人の生活水準は、知らず知らずのうちに上がってしまうものです。良い家に住めば、家具や洋服、食費や外食代までも増える恐れがあります。そうするとなかなかお金は貯まりません。しかし、若い間の少しの間だけ我慢ができると、将来お金持ちになれる可能性がすごく高まります。