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(写真=Thinkstock/Getty Images)

「強いトラもオオカミの群れにはかなわない」。中国の不動産デベロッパー、大連万達集団(大連ワンダグループ)の代表である王健林(ウォン・ジャンリン)氏が放った言葉である。

世界有数のエンターテインメント企業である、ディズニーが上海ディズニーランドをオープンしたことについて、米国文化を持ち込んだだけだと非難しての発言だ。重ねて、中国国産の巨大テーマパークを、国内で次々と開園すると同氏は「エンターテインメント界の一大帝国」ディズニーに宣戦布告したのである。

ディズニーに喧嘩を売る 王健林氏とは何者なのか

王氏はフォーブス誌が発表した2016年の長者番付で18位にランクインした、資産287億ドル(約3兆円弱)のアジア1の大富豪だ。同番付にはビル・ゲイツ氏やFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏、ウォーレン・バフェット氏も名を連ねている。

巨万の富を築く経営手腕を持つ王氏だが、中国外への留学経験などはない。同国内で学んだ経営スキルをもって、今の地位を築いている。1989年まで約16年、大連の人民解放軍に参加し、その後住宅開発を担当する中でビジネスの頭角を現し、1988年に大連万達集団を設立した。

現在は、中国国内だけでも134 のショッピングモール、 82の高級ホテル、213の映画館、99 のデパート、そして54 のカラオケセンターを運営。米国でも映画館やフィルム制作会社を傘下に収め、スペインではリーガ・エスパニョーラに所属するサッカークラブ、アトレティコ・マドリ―ドの株を20%保有しているほか、FIFAとも密に連携している。

第1ラウンド:米国 上海ディズニーランドVS中国 ワンダ・シティ

約55億ドルの建設費をかけ、上海ディズニーランドが中国本土にオープンしたのは2016年7月のことだ。先立つこと2カ月、ワンダグループは約34億ドルの建設費をかけ、複合型テーマパークであるワンダ・シティをオープンしている。

ディズニーが進出地として選んだ上海は、世界経済のハブの一つとして知られる巨大都市で、人口は2425万人。一方ワンダ・シティが選んだ江西省の南昌市は人口518万人と、上海の約5分の1だ。ディズニーが1カ所で勝負をする中、ワンダは既存のパークも含め2020年までに15カ所に増やす計画で対抗する。

だが、正々堂々の真っ向勝負とは行かないようだ。ワンダ・シティのオープニング映像には、「パクリ」と言うのもお粗末なミッキーやミニ―などの、ディズニーキャラクターが写っていたのである。こうした出来事が集客にどう影響しているかは、まだわかっていない。開園から日が浅いこともあり、両施設とも入場者数を発表していないからだ。

両園ともに初日は長蛇の列が入場ゲートに続いた。ピーク時期の入場料には、ディズニーランドが499元(約7600円)、ワンダ・シティが248元(約3800円)と違いもあり、利益・入園者数ともに今後の発表に注目だ。

経済成長とともに増加し続ける、国内中産階級数のおかげで、現在6100億ドルを生む中国の旅行産業は、今後もさらに拡大することは間違いない。そして、それはどちらのテーマパークにも追い風となるだろう。