米マサチューセッツ工科大学で行われたビットコイン実験から、最新テクノロジーに目ざとい「アーリーアダプター(early adopter)」ほど、何らかの事情で周囲に出遅れた場合、そのテクノロジー自体に拒絶反応を示す傾向が強いという、興味深い事実が判明した。

実験素材として利用されたビットコインに関しては、50%の生徒が受領手続き自体を最長2週間放置したほか、11%が受領後2週間以内に換金するなど、「若者の間でも現金ほどの価値がない」と受けとめられているようだ。

ビットコインの将来性は期待されているが、やはり現金が有利

この実験は2014年10月からマサチューセッツ工科大学の在籍学生4494人(うち36%はコンピューター科学部に在籍)を対象に、「採用の初期段階にあるテクノロジーが、どのようにして普及していくいくか」という点に重点を置き、革命的な技術や商品に対する拒絶反応なども含めて、各学生の行動を分析したものだ。

具体的には参加学生に各100ドル相当のビットコインを無料で配布し、どのように利用されるかという動きを追った。

多くの在学生がビットコインの将来的に期待しており、「半年以内に価格が下がる」と回答したのはわずか17%。

しかし在学生全員が興味を示し実験参加を申しでたにも関わらず、半分が受領手続きを放置し、実際の実験参加に遅れたという時点で、「ビットコインを通貨扱いしていない」という潜在的な意識がチラついている。

全体の70%がデジタルウォレットでの受けとりを選択したが、そのうち89%はデジタル通貨初心者だった。

参加学生はビットコインを「投資対象(35%)」、「現金の代用(21%)」「オンライン取引ツール(20%)」と見なしていた反面、11%が実験開始後2週間以内に換金する(指定以外のウォレットに転送した可能性も考えられる)。

総合的な実験結果から、受領が遅れた生徒(後期採用者)ほど、換金する速度も速かったそうだ。