「一番のり」だからこそ、そのテクノロジーに愛着がわく?

実験の本来の目的は、アーリーアダプターと最新テクノロジーの関係を探ることであり、初期採用者の特徴や市場への影響力を割りだす試みだ。

革命はアーリーアダプターから広がるという観点から、受領期限はあえて設けず、最初に実験参加手続きをすませた777人(全体の25%)が主要な被験者として絞られた。

これらの学生は、後期採用者よりも、ビットコイン、特に価格上昇についての予備知識が豊富だったとの可能性も否定できないものの、配布されたビットコインを実験終了まで大切に取り扱っていたそうだ。

実験からはもう一つ、「周囲よりも最新テクノロジーに出遅れた生徒は、そのテクノロジ―自体に興味を失う」という分析結果も報告されている。

つまり普段は周囲の誰よりも早く、最新の商品やサービスを取りいれているタイプが、周囲に先を越された場合、その商品やサービスには着手する気が損なわれるということだ。
「誰よりも早く」という意識が強く、だからこそ周囲よりも先に手にいれた商品やサービスに愛着がわくのだろう。

さらには出遅れたアーリーアダプターが拒絶反応を示したという影響は、ほかの層にまでおよぶことから、新テクノロジーの普及はアーリーアダプターが握っているといっても過言ではないだろう。

GoogleやAppleといった大企業の成功の裏には、アーリーアダプターへの絶妙なアピールがあるものと推測される。( FinTech online編集部

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