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楽天BOXの運用が始まる

楽天が新しいサービスの試験運用を始めます。その名も「楽天BOX」。楽天市場で注文した商品を通勤や通学途中に受け取ることができる専用宅配ロッカーを設置します。まずは大阪市営地下鉄なんば駅と関西大学千里山キャンパスにて運用をします。これは国内EC事業者初の取組とのことで、受け取り場所を専用宅配BOXに指定すると、配送完了のメールでパスワードを通知するというものです。これまで、通販業者は注文から到着までの速さを競っていましたが、これからは新たな分野での競争が起こりそうです。ただ、セブンイレブンホールディングスが運営しているネット通販では傘下のコンビニを利用して、店頭受け取りを行っています。楽天が宅配BOXを本格展開すればネットとリアルの境がさらに薄くなっていくと言えるでしょう。


O2Oとは

このような楽天の動きは今に始まったものではありません。以前からささやかれていたキーワードがあります。それが「Online to Offline」いわゆる「O2O」です。O2Oとは、パソコンやスマートフォン(Online)にクーポンや、来店することで付く特典を配信することで消費者を実店舗(Offline)に誘導しようとする手法のことです。最近になってこのO2Oが大きく注目されてきたのは、やはりスマートフォンの普及にあるのだと思います。前述の「楽天BOX」においても、スマートフォンだからこそサービスが受け入れられるのではないかと考えています。

パソコンは基本的に固定されてしまいます。パソコンが主流だったころに「楽天BOX」を始めても、家に帰ってからメールを確認しわざわざ取りに行く、もしくは翌日の帰宅時に取りに行くという使い方になったでしょうが、常に携行しているスマートフォンであれば、日中にメールをもらえれば、そのまま帰宅途中に寄って商品を持ち帰ることができます。スマートフォンの普及により、情報がリアルタイムで把握できるようになったことにより、ネットビジネスの利便性がさらに向上したというわけです。


楽天が仕掛ける様々なサービス

ちなみに楽天が仕掛けているO2Oは「楽天BOX」だけではありません。2014年4月には「楽天チェック」というポイントサービスを始めています。これは実店舗を訪れた消費者がスマートフォンのアプリを起動するだけで「楽天スーパーポイント」を獲得することができるというものです。また、2014年の秋頃からはネットショッピングサイト「楽天市場」や旅行予約サイト「楽天トラベル」など通販でしか利用することができなかった「楽天スーパーポイント」を全国約1万3,400ヶ所で利用できるようになります。当初11社と提携をしており、その中には大丸、松坂屋を傘下に持つJ.フロントリテイリング、コンビニエンスストアを展開するサークルKサンクス、ポプラ、ミスタードーナツを展開するダスキン、カフェを運営しているプロントコーポレーションなど名だたる企業がそろっています。コンビニエンスストアでも楽天ポイントが使えるようになるため「楽天スーパーポイント」がますます使いやすくなりそうです。消費者にとってみれば、楽天チェックでポイントをため、そのポイントを実店舗で利用するということが可能になり、ちょっと出かけるだけで得した気分を味わえることになります。