主人公たちと同じ景色を見たいファン続出「聖地巡礼」の経済効果

アニメやマンガ、映画などの作品の舞台やモデルとなった、土地を訪問する「聖地巡礼」。これを訪日の目的のひとつにしている外国人観光客も少なくない。観光庁の訪日外国人消費動向調査(2014年7‐9月期報告書)によると、訪日外国人の「訪日中にしたこと」の一つが「映画・アニメ縁の地を訪問」(4.0%)という結果が出ている。特にフランスを筆頭にタイ、カナダ、オーストラリアなど、アニメ好きで知られる国の観光客から、この回答を多く得ている。

2011年にアニメが放映され、13年に映画化15年にはドラマ化された超人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」。この作品も、多くの巡礼スポットを生み出した。アニメ版の象徴的な画面に出てくる旧秩父橋や、定番スポット定林寺の境内をはじめ、秩父沿線の風景や羊山公園などが有名だ。

「君の名は。」で、物語の中心となっているのは、美しい自然に囲まれた飛騨地方だ。ヒロインである、女子高生が住んでいる山深くの田舎町は、岐阜県飛騨市をイメージした架空の町とされている。JR飛騨古川駅や宮川町落合がモデルのバス停や、「特急ワイドビューひだ」が登場する場面も出てくるのだ。

クールジャパンが日本をアツくする?

毎年8月と12月に東京ビックサイトで開催され、3日間で合計50万人前後を動員する、世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」。通称コミケは、1回あたりの経済効果が180億円にのぼるという。聖地巡礼やコミケまでを考え合わせると、アニメの経済効果は決して無視できない規模だ。「君の名は。」が上げる経済効果が、おそらくは500億円を下らないものになるとの想像も、現実味が出るだろう。

日本のアニメやキャラクターは、ワンピースやキャプテン翼など、世界でも幅広い人気を得ているものがいくつもある。「君の名は。」で、「アニメ大国・日本」のファンは更に増えそうだ。(ZUU online編集部)