日経平均株価とTOPIXの違い

日経平均株価とTOPIXにはそれぞれの値動きに特徴があります。

日経平均株価は、東証一部上場企業の中から代表的な225銘柄の平均株価を算出するため、主力銘柄全体の動きを把握する際にわかりやすく、便利な指標といえます。ただ、株価の算出上、株価の高い特定の「値がさ株」の影響を受けやすい点に留意を要します。

一方TOPIXは、時価総額を使用して指数を算出するため、電気機器や輸送用機器、情報・通信、銀行等の比較的時価総額の大きい業種の影響をより強く受ける特徴を持っています。

株式市場全体の方向性を把握する際に役立つ「NT倍率」

両指数の値動きの違いに注目した「NT倍率」と呼ばれる指標が存在します。NT倍率とは、日経平均株価をTOPIXで割って算出した値を指します。2016年8月9日現在のNT倍率は、12.7倍です。日経平均株価がバブル後安値をつけた2009年3月10日以降は10倍以上で推移しています。

NT倍率はどのような意味をもつのでしょうか。上述のように日経平均株価は特定の値がさ株の影響を受けるため値動きが大きくなりやすく、ヘッジファンドなどの短期筋による先物やオプションの売買が集まりやすい傾向にあります。国際情勢など外部環境の変化にあわせて日本株全体が大きく動く場合は、先行して日経平均株価が動き、TOPIXが追随するパターンがよく見受けられます。

日経平均株価とTOPIXのそれぞれの特徴を理解すれば、資産運用を行う際の参考にできるのではないでしょうか。(提供: お金のキャンパス

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