投資初心者に陥りやすいトラブルの代表例としてリスクを無視した一極集中型の投資が挙げられます。これは知識と経験がなければ、ハイリスク・ローリターンに過ぎない手法です。未経験者はまずは投資のリスクと、分散投資の重要性について学ばれることをオススメします。
①NISAの概要とポイント
NISA とは、株や投資信託などの運用益や配当益を一定額非課税にする制度の事を言います。ざっくばらんに説明しますと、「投資で得た利益に対する税金がゼロになる制度」と覚えて頂ければ大丈夫です。NISAの制度を利用するには、以下の条件が必要になってきます。
・20歳以上であること
・証券会社の口座を所有していること
・2014年~2023年の計10年間で運用すること
これらは、NISA制度を利用する最低限の条件です。成人を迎えた方で既存の証券口座をお持ちになられている方であれば、誰でもご利用頂ける制度となっています。では、NISA制度で作成した口座でのお取引が「非税率」となる条件を②でご説明致します。
②NISAを利用した分散投資の重要性
NISA制度で作成した口座で投資をすれば、どの場合であっても非税率になるのではありません。ある一定の条件を満たして初めて税金を収めずに済むことが出来ますので、そのルールを把握する必要があります。
条件を以下に記します。
・1年間での有価証券取引(株・投信)の総額が100万円以内でなければならない
・5年間で500万円分の取引に対する非税率が可能
・口座に投入可能な資金の繰越は不可
・原本資本から発生する見込み益で100万円を超過しても非税率が適用される
重要な点は一番上の項目にある、「年間取引額の上限が100円」という点です。これはデイトレードを行う個人投資家でしたらあっという間に上限を越えてしまう金額です。ですので、NISA制度で作成した口座は、分散投資の1つのパーツとして利用しましょう。
例えば、長期的に値上がりする個別銘柄を100円分を買い増しせずにNISAで運用する方法があります。100万円で購入した株価が120万円に値上がりした場合は、運用益20万円が非課税されます。また、非税率の条件の4番目である原本が100万円以内であれば非税率になりますので、株価値上がりを気にする必要はありません。
③積立型の投資信託ならNISAがお得
上の例では個別銘柄を長期保有することにより、NISAのメリットを享受しました。ですが、個別銘柄を的に絞るのはリスクが大きく、株取引初心者には少しハードルが高いかもしれません。未経験者でも低リスクで確かな利益を上げるためにNISAを利用するには、積立型の投資信託に資産を投下すると良いでしょう。
投資信託はプロのディーラーが選別した複数の銘柄を運用する金融商品です。さまざまな銘柄が含まれるので、ある株価が下落しても他の株で補う関係が出来上がります。その投資信託を月単位で積立、1年間でちょうど100万円になるようにすればNISAを賢く利用するひとつの方法です。
④株式投資に掛かる税金について
2013年度の有価証券の配当益と運用益の税率は一律10%です。ですが、2014年からはその税率が2倍の20%になるのですから、個人が得られる利益は減ってしまいます。NISAを利用して非税率にする資産構築が殊更に大切になってまいります。
例えば、NISAで5年間資産運用しますと最大500万円分の非税率が保証されます。その500万円の資産で得た利益が100万円の場合、通常ですと20万円の税金が発生する所0円で済むのですから、この違いは非常に大きいです。
⑤口座を分散させてお得に税金を抑えよう
個別銘柄や投資信託、FXなど投資の分散は重要です。そして2014年からはNISA制度を含めた「口座の分散」という概念がやってきます。取引で利益を上げるには、トレードの精度と経験がものをいいますが、税金を余分に支払わないといったベクトルも要求されます。個人が主体性を持つことによって、税金に纏わる知識が国民レベルで底上げされます。国の財源に関心を持つことは、国民が国作りを主体的に担う一端となるのではないでしょうか。
NISAは個人投資家にとって武器にもなりますし宝の持ち腐れにもなります。たとえ制度を利用したとしても、取引額のルールを守らずにいると非税率が適用されないといった事態になりかねません。制度そのものは単純ですので、しっかり把握して有効利用して参りましょう。
by syurimp:バックパッカートレーダー
photo credit:
afagen
via photopin
cc