バンク・オブ・アメリカ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、サンタンデール銀行などの国際大手銀行7社が、ブロックチェーン決済「Ripple」の分散型台帳技術を利用した、次世代決済ネットワークの共同開発を発表した。
Ripple特有の即時グロス決済システムを組みこむことで、国際銀行間通信協会(SWIFT)の先を行く、最先端の国際決済ネットワークを築くことを最終目標にしている。
国際決済基準のフレームワーク構成が最終目標
ほかにも英スタンダード・チャータード銀行、ウニクレーディト・イタリアーノ、豪ウエストパック銀行、加CIBCなど、国際的な金融機関が肩を並べ、世界初の銀行系ブロックチェーン共同ネットワークの開発に挑む。
共同開発にあたり立ちあげられた「国際決済対策機関(GPSG)」では、規則案の明確化と新たな国際決済基準の設定から着手し、段階をおって国際決済基準のフレームワークを構成していくという。
現在国際決済市場はSWIFTが独占しているが、Rippleのマーカス・サッチャーCEOは「分散型台帳技術が従来の決済システムより優れている」点をアピール。
分散型台帳技術の決済採用例としてビットコインと比較されることの多いRippleだが、ビットコインとは異なり独自のコンセンサス・システムを重複決済の検知に用いている。
これによってスケーラビリティ(拡張性)や電力消耗などに妨害されることなく、決済完了時間も大幅に短縮されるというわけだ。
Rippleは設立から12年間で9000万ドル(約90億8820万円)の資金を調達しており、今後もその勢力を拡大していくと予想されている。
すでに今年5月、サンタンデール銀行がRippleのネットワーク導入を発表しているように、現在多くの大手銀行が業務のデジタル化に本腰をいれているが、まずはスタートアップやライバル企業と提携するにあたり、データ共有や取引プロセスに関する詳細など、互いに同意できる基準の設定が重要事項となるだろう。
GPSGのドナルド・ドナヒュー会長は、「主要銀行によるGPSGの結成が金融産業にどれほど実り豊かな収穫をもたらすか、期待をふくらませている」とコメントしている。( FinTech online編集部 )
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