英バークレイズ銀行とイスラエルのスタートアップ、Waveが、世界初のブロックチェーン国際貿易取引を成功させた。
これまで膨大な時間と労力を要してきた国際貿易取引業務を、ブロックチェーン技術で劇的に効率化することが可能と実証された今、各国の貿易関連企業がこぞって同様のステムを採用するのはほぼ確実だと見られている。
「貿易産業の基盤を創りなおせる革命的な技術」で貿易産業の歴史を塗りかえる
7月9日、バークレイズはWaveとの提携によって実現したブロックチェーン国際貿易取引が、無事成功したことを発表。
この試みはアイルランドの大手農産食品会社、Ornaと、インド洋に浮かぶ共和国、セーシェルの配送会社、セーシェル・トレーディング・カンパニー間の取引を、Waveが開発したブロックチェーン・プラットフォームから国際銀行間金融通信協会(Swift)の決済システムを通して行われ、10万ドル(約1005万円)相当のチーズとバターがわずが数時間で海を隔てて取引さ」れた。
通常の国際貿易取引業務は、取引開始前から大量のデータや確認事項を要し、7日から10日かけてようやくすべての業務が完了するが、ブロックチェーン国際貿易取引はこうした手間暇を大幅に短縮することで、時間とコストが著しく削減できる。
英大手銀行の中でもとりわけブロックチェーン技術の開発に熱心なバークレイズは、スタートアップ支援プロジェクト「TechStars FinTech」を立ちあげ、アクセラレーター・プログラムに参加したWaveとともに、昨年末からブロックチェーン開発を進行させていた。
Waveの設立者、ガディ・ルスチン氏は「ブロックチェーンが貿易業務から紙面書類を排除する」と、テクノロジーによってすべての取引先が同じラインで結ばれ、共有可能な詳細が永久的に保存される利便性をアピール。
ブロックチェーンが世界中のビジネス構成を、凄まじい勢いで変化させている。ここでもまた、誰の勘にも触れることなく、貿易産業の基盤を創りなおせる革命的な技術」が、国際貿易の歴史を変えようとしている。( FinTech online編集部 )
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