中国の最新FinTech動向をまとめたKPMGのレポートから、トップ50FinTech企業の主要分野がビッグデータ関連であること、その半分が北京に集中していることなどが判明した。
昨年末には1兆8000億ドル(約182兆8800億円)市場に達した中国FinTechだが、成長の初期段階に位置するスタートアップが続々と資金調達ラウンドなどで活躍の機会を得ていることから、KPMGは「今後中国は、世界で最も革命的なFinTech市場に拡大する可能性が高い」と予想している。
中型スタートアップがトップ50の7割を独占
KPMGに「中国の優良FinTech企業」として選ばれた50社のうち、14社はビッグデータ関連のスタートアップ。次いで消費者金融(6社)、P2P決済や融資、オンライン投資(各5社)などが大きな伸びを見せている。
これらの企業に最も人気の都市は北京(21社)だが、上海(15社)や深セン(7社)も追いあげている。
中国FinTechの歴史が比較的浅いせいか、あるいは中国特有の独占市場がFinTechにも該当するせいか、現時点では中国eコマース産業の巨匠、アリババが立ちあげた金融部門、AntFinancialや、中国最大の検索エンジン企業、Baiduといった時価総額200億ドル(約2兆320億円)以上の大手の勢いが目立つ反面、大半を独占しているのは、30億ドル(約3048億円)以下(36%)と10億ドル(約1016億円)以下(30%)のスタートアップだ。
ビッグデータを取り扱うスタートアップが多い中、今後はブロックチェーン、AI(人工知能)、IoTに代表されるテクノロジーと金融サービスの融合に焦点を当てたアプローチが期待されている。
中国FinTechを総体的に見てみると、6月に発表されたマッキンゼーの調査から、決済市場における需要が最も高いことがわかっている。
急激にeコマース大国へと変貌をとげた中国は、インドと並ぶFinTech成長国として、無限の可能性を秘めている。
FinTech企業の暴走を恐れる中国政府の圧力、スタートアップの入れ替わりの激しさなどクリアすべき問題点は多々あれど、いずれアジア圏は勿論、欧米をおびやかす巨大FinTech国となり得るかも知れない。( FinTech online編集部 )
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