最近ではいろいろなところに展開している「保険の無料相談所」であるが、保険に加入する際に注意点はないのだろうか。無料で相談に乗ってもらい、勧められるままに保険に加入させられていないか心配だ。そこで、今回は、騙されないための自衛策についてポイントを解説したい。
「保険の無料相談所」の実態
かつては保険の加入というと生命保険会社の営業マンから加入するしか選択肢はなかった。ところが、最近では、しつこい保険の勧誘を嫌う傾向が強くなり、インターネットや店舗型保険代理店での保険加入が増えている。
しかし、加入する入口が変わっても保険販売の基本は何ら変わっていない。保険会社は利益率の高い商品をできるだけ販売したいと考えている。もっとも、これは保険会社に限った話ではなく、商売というものは安いものを高く売る、あるいは、利益率の高い商品を積極的に販売するのが基本だからだ。
このように販売側が利益率の高い商品を勧めてくることは、説明しなくても消費者は何となく気づいているだろう。ところが、「保険の無料相談所」という看板を見ると、自分のために無料で相談に乗ってくれると勘違いする人が多い。「タダより高いものはない」というように無料であることには裏がある。
何の見返りもなしに親身になって相談に乗ってもらえるわけがない。店舗の賃料や従業員の給与を支払わなければならないのだから、無料相談だけでは事業は成り立たない。
では、利益率が高いかどうかは判断できるのかというと、一般的に物の場合、値段が高いほど利益率が高い。50円の商品の利益はたかが知れているが、500万の商品ならいくら利益なのかよくわからないからだ。それに対し保険の場合、保険料が高い商品が、利益率が高いとは限らないので判断は難しい。むしろ保険料の安いいわゆる掛け捨ての保険の方が、利益率が高い。