「保険の無料相談所」の事業モデル

「保険の無料相談所」はどのように事業を成り立たせているのだろうか。それは、保険に相談に来た人に保険を販売しその手数料で儲けるビジネスモデルである。保険の相談を無料にすることで人を誘い込み、それらの人に保険を勧め、保険会社から手数料を受けとるというものだ。要は保険販売の手数料収入が見込めるから無料で相談に乗っているのである。「保険の無料相談所」と謳ってはいるが、「店舗型保険代理店」にすぎない。

もちろん「表向きは保険に加入しなくても気軽にご相談下さい」というかもしれない。しかし、保険に加入したいから相談しているわけで、お勧めの保険として紹介されて、それを断って他の保険に加入できる人はどれだけいるだろうか。余程保険に精通していない限り勧められた保険に入るのではないかと思う。

また、店舗だから保険を強引に勧められることはないと思っている人もいるかもしれないが、店舗はもちろん電話でも保険に加入することを勧誘されることはある。一見、第三者の立場から公平にアドバイスしているように感じるかもしれないが、保険代理店にすぎないので注意が必要だ。

「保険の無料相談所」で失敗しないために……

店舗型保険代理店は、代理店契約を締結している保険会社の商品しか勧めてこない。つまり、自分のところで扱っていない保険商品は勧めてこない。したがって、その人に合った良い保険商品が自分のところで扱っていない場合、基本的にその保険を勧めることはない。勧めても手数料が得られないからだ。

そのことから、相手のペースに持ち込まれないためにもネット保険などの資料を持ち込んで相談してみるとよい。頭からネット保険の商品を否定してきたり、相談に応じないような態度を取られたら、その担当者に相談するのはやめた方が良い。

次に、その店舗の商品の中で選択してもよいと考える場合、できるだけ単純な保険に加入したいと相談するとよい。複雑な保険商品は内容を理解するのも大変なので、相手のペースに持ち込まれやすいのと、保険料が高いのか安いのか他の商品と比較できないからだ。

例えば、死亡保険の定期保険で30歳加入、10年更新、70歳満了の保険を比較することは簡単だが、それに入院給付金や3大疾病保険などの特約が付くと、完全に同じ商品はないので比較はできなくなる。同じ型の単純な保険なら保険料の比較ができるので、できるだけ安い(保険代理店の手数料が安い)保険を選ぶことができる。

最後に「保険の無料相談所」をいくつか訪問して比較することについてであるが、あまり意味がないのでやめた方が良い。どの保険に加入してよいかわからないから相談に行くのに、いろいろなところで様々な保険商品を勧められるだけなので、何を選んでよいかわからなくなるからだ。

結局、保険に加入する場合、自分自身である程度保険について勉強して決めるか、お金を払って保険会社と提携していない独立系のFPに相談するのがベストである。どうしても、勉強もお金も支払いたくないという場合、上記ポイントを踏まえた上で、うまく「保険の無料相談所」をうまく活用して欲しい。(ZUU online 編集部)

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