英国際金融機関、スタンダード・チャータード銀行が、10秒弱で完了する「ブロックチェーン・クロスボーダー決済」を成功させた。
従来であれば2日間要するクロスボーダー決済を、Rippleのビジネス向けブロックチェーン・プラットフォームを利用することで、飛躍的に取引処理時間を短縮。銀行側にはコスト削減と効率性の向上、消費者側には手数料と時間の節約という夢のような海外決済システムを現実化させた。
スタンダード・チャータード「ビジネス・コミュニティーの架け橋的存在に」
今回のテスト決済は、スタンダード・チャータードと提携先の大手銀行(名前は明かされていない)の取引という想定に基づいたものだ。
スタンダード・チャータードはこの新たな決済法に改良を加え、ビジネス向けクロスボーダー決済として商品化する予定だ。これまでは実際に取引するまで不透明だった手数料や外国為替などの分野を明確化し、消費者にも管理しやすい海外送金システムの確立を目指している。
現在組織のエコシステム拡大を実施中のスタンダード・チャータードは、アジア・アフリカ・中近東地域を中心とした金融取引および投資を促進する目的で、ビジネス・コミュニティーの架け橋となる役割を果たそうとしている。
その一環としてほかにも「ストラテジック・インベストメント」というデジタル投資プロジェクトを、同じくRippleのブロックチェーン技術を利用して進めている。
国際トランザクション・バンキング部門の責任者、アレックス・マンサン氏は、取引・コマース・投資事業の促進を図るうえで、「デジタル化がスタンダード・チャータードにとって最優先事項である」と重要性を強調。「実現させるうえでRippleとの提携関係は欠かせない」としている。
Rippleの技術は他国の銀行にも採用されており、9月にはひと足先に豪大手ナショナル・オーストラリア・バンクが、カナダ・インペリアル・バンク・オブ・コマースに口座を所有する従業員に10豪ドル(約785円)の賃金を振りこむという想定で、やはり10秒弱ですべての取引を完了させている。
テクノロジーが国境の壁を打ち崩す瞬間が、もう目前に迫っている。( FinTech online編集部 )
【編集部のオススメ FinTech online記事 】
・
金融業界のビジネスパーソンはFinTechの進行に危機感を持たなければならない
・
「フィンテックは必ずしもハイテクばかりではない」みずほFG 山田執行役常務・CDIO
・
freee「本質的で価値あるものを生み出し、社会に、業界にインパクトを与える仕事を」
・
世界初のブロックチェーン都市に生まれ変わるドバイ 2020年完了目指す
・
「2017年にブロックチェーン本格始動」銀行の1.5割が回答