2. リスク排除の考え方が同じ

不動産投資の所有物件に退去者が出てしまい、再度賃貸の募集をしたとします。ところが、2週間経っても、1ヵ月経っても入居者が現れない場合はどうしたらいいのでしょうか。

そんな時、「賃料を下げる」「サブリース契約(※)をする」といった「空室リスク排除」の判断は、なかなか難しいものです。

しかし、株取引の経験がある人なら、その的確な判断がしやすいと考えられます。なぜなら、不動産投資における空室リスクの排除は、株式投資における「損切り(売却)」の考え方と似ているからです。

通常、株取引の損切りでは、「株価が○%下落したら損切りをする」というルールを明確に決め、それを忠実に守ります。またそのルールは、最終的な利益の予想値から逆算して決めることが多いのです。

これを実践できる人は不動産投資においても、「経費が〇万円なので、〇万円賃料を下げても、収益は〇万円確保できる…」といった、コストから逆算して収支を計算する癖が付いています。そのため、上記のようなリスク排除の判断を的確に行えるというわけです。

※サブリース契約とは、管理会社に一定の手数料を支払って、空室時も賃料の保証をしてもらう契約形態です。

3. 「将来性」を見る知見と努力を求められる

上述したように、株式投資と不動産投資は、成功するための重要なポイントが似ています。特に大切なのは、不動産投資でも株式投資でも、投資対象の「今」だけでなく「将来性」を見極める必要がある点です。

例えば、不動産投資でいうと、今は人気があり空室リスクも家賃下落リスクも小さいスポットでも、将来的にどうなるかは分かりません。その人気を支えているのが、大型商業施設であったり近所にある大学だったりした場合には、その施設が移設してしまえばリスクは一気に増します。

株式も同様で、今業績が好調でも将来的に為替リスクや地政学的リスク、斜陽産業ならば業界衰退のリスクなどの、さまざまなリスク要因が絡み合って将来の業績を生み出します。

これらの事態について投資家は、色々な知識に基づき「予測」を立てるしかありません。そのための情報収集や、過去の事例、傾向分析など、知見を深める作業に対して惜しみなく努力できるほど、この予測の精度は高くなります。

したがって、株式投資においてこうした勉強や努力をしてきた人は、不動産投資でも、同様に知識・経験を積める素養がある可能性が高いです。これも、不動産投資で成功するために大切なポイントです。

まとめ

株式投資をしていた方が不動産投資に向いているという、3つの理由について説明しました。

「投資対象」、「リスク排除」、「将来性」、これらはいずれも、不動産投資を成功させるために非常に重要なファクターです。株式投資の経験者は、培った知識経験を生かして、ぜひ不動産投資にもチャレンジしてみてください。(提供: TATE-MAGA

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