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(写真=PIXTA)

日本では社員の住まいに補助をする企業が多くありますが、その形式としては、社宅や社員寮を提供するほか、社員が払う家賃に対して補助をする「住宅手当」などさまざまです。住宅手当の実態や平均がどうなっているか、紹介していきましょう。

住宅手当の実態

住宅手当とは、企業の福利厚生の一環として、家賃など社員の住宅にかかる費用の一部を補助するものです。支給される金額や家賃に対する補助の割合は、企業によって異なります。健康保険や厚生年金と異なり任意で行うものなので、中小企業を中心に住宅手当を支給しない企業もあります。

厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」(調査対象は日本全国の常用労働者30人以上の民営法人から抽出)によれば、住宅手当の支給率は45.8%となっています。大企業ほど支給率は高くなっており、従業員300人以上の企業では6割近い支給率と、全体平均を10ポイント以上、上回っていることがわかります。支給の条件や基準は企業によってさまざまですが、世帯主で既婚、扶養義務があるものなどの条件を設定している企業が多いようです。多くの場合、持ち家の購入では支給されませんが、持ち家の住宅ローンの一部を補助する企業もあります。

もっとも、住宅手当を支給する企業は2006年の44.8%から一時減少したものの、徐々に増加傾向となっています。アベノミクス以降、生活面でインフレを感じることも多く、住宅手当制度に再び注目が集まり始めているのかもしれません。

住宅手当の平均支給額は

住宅手当の支給方法としては、給与に上乗せして支払われる場合が多く、持ち家の場合や社員が自分で契約した賃貸物件に対して支払われます。

住宅手当の支給額は企業によってさまざまです。前述の調査によれば、一人あたりの平均支給額は1万7,000円、従業員1,000人以上の企業平均でも1万9,333円なのです。業種別で見てみると、情報通信業の2万5,312円が最も高く、電気・ガス・水道などのインフラ業が1万466円と最も低くなっています。

一般に転勤をともなう場合には社宅の提供があることが多く、社宅がない場合には住宅手当が手厚くなりますので、全体の平均よりも支給額が高くなります。地域によって支給額の上限が決まっているのが普通で、家賃の高い東京などでは上限が高く、地方都市では家賃相場が低いために支給額も低くなります。このように勤務場所によっても住宅手当の額は変わってきます。