ウェルズファーゴとオーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行が、共有分散型台帳プラットフォームをテスト中であることを明らかにした。

この試みは両銀行間の取引や調節プロセスを向上させる目的で、半年間にわたるブロックチェーン・プロジェクトとして実施されている。Swift(国際銀行間通信協会)経由の従来の国際送金取引を、基盤からくつがえす革命である。

「安心、素早い国際送金システム」でSwiftの脅威となる?

何十年間もの間、国際送金市場を独占してきたSwiftだが、FinTechの発展により窮地に追いこまれそうだ。

Swiftのシステムでは送金側と着金側、それぞれの通貨で取引が処理されるため、2種類の異なる口座明細が作成され、その後ひとつに統合する調節を行う必要がある。ブロックチェーン国際送金ではそうした手間のかかる作業を排除し、送金スピードを劇的に向上できるほか、国際送金につきものの為替相場の変動や重複手数料なども、透明化することが可能だ。

ウェルズとANZは銀行間で共有できる共有分散型台帳プラットフォームを構築し、業務の効率化を図ると同時に、消費者が安心、かつ素早く海外に送金できるシステムを創出しようとしている。

現在はまだ実験段階だが、プロジェクトの担当者、ANZの門ナイジェル・ドブソン氏は、「テクノロジーをビジネス革命にうまくとりいれ、国際決済に活かすことが可能であることを立証できた」と、テストの成功に満足げな様子だ。今後は実用化に向け、さらなる協議が続けられていくという。

ウェルズとANZはともに非営利ブロックチェーン・コンソーシアム「リナックス・ファウンデーション」に参加し、積極的にテクノロジー革命に取りくんでいる。ウェルズは2013年、独自のデジタル・イノベーションラボも開設。革命の研究やスタートアップの支援にに、非常に熱心な姿勢を見せている。

今回のプロジェクトについては10月13日、シドニーで開催される「オーストラリアFIXカンファレンス」でも詳細が報告される予定だ。( FinTech online編集部

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