ミレニアル世代向け貯蓄チャットボットアプリ「Plum」を、英スタートアップが開発した。現在はベータ版のみだが、今月末からは「招待制度」でUKの消費者にサービスを開始する。

アプリと銀行口座をリンクさせるだけで、Facebook Messengerのチャットボットを通して、入出金から貯蓄の相談まで簡単に行える優れもので、より気軽に貯蓄を意識できる環境を若い世代に提供することを目標としている。

スマホからチャットボット任せで無理のないマイクロ貯蓄

今後主流顧客層となるミレニアル世代をターゲットに絞った金融商品が続々登場する中、次世代海外送金スタートアップ、TransferWiseの初期立ちあげメンバーが新たに設立したのがPlumだ。

設立者のビクター・トロコウデス氏とアレックス・マイケル氏は、「消費者に貯蓄の大切さを学んで欲しい」という願いから、Plumを誕生させたという。世界第5位の経済大国であるにも関わらず、所得格差の激しい英国では個人負債問題が深刻化している。

X世代(1960年~1974年前後に生まれた世代)以降は浪費傾向が強いことに加え、所得や資産が高齢層の約半分にまで減っていることなどが、様々な調査から判明している。「住宅費や物価の急騰によって収入の大半が生活費やローン返済に消え、貯蓄どころではない」という国民が多い。

それゆえにこれらの世代は普段からお金の出入りを管理する習慣を身につけ、少しでも節約に励むことが重要だ。SNSやAI(人工知能)といったテクノロジーを金融ツールに取りいれ、若い世代がお金の管理を気軽にできるという点で、Plumのようなアプリは最適だろう。

トロコウデス氏が「マイクロ貯蓄ツール」と形容するPlumは、少額の節約が数カ月後、数年後には予想以上のまとまった貯蓄に育つことに、消費者の意識を向けようというコンセプトで開発された。毎月3000円の節約に成功すれば、1年後には3万6000円、10年後には36万円に育つ。「貯蓄の仕方ががわからない」という消費者には、チャットボットが節約術を伝授してくれる。

スマホからチャットボット任せで無理せず貯蓄というスタイルは、何ごとも合理的に進めたいミレニアル世代にピッタリだろう。( FinTech online編集部

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