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(写真=PIXTA)

九州旅客鉄道(JR九州) <9142> が2016年10月25日に上場する。2016年のIPOとしては、7月のLINE <3938> につぐ2番目の規模となる。国の保有株の売り出しとしては昨年11月の郵政3社以来だ。残念ながら郵政3社の株価は上場時の高値から大きく下落したままだ。今回のJR九州のIPOの初値の株価予想をしてみよう。

JR九州、17日条件決定、26日東証1部に上場見込み

JR九州 <9142> の上場は、9月15日に東京証券取引所に上場承認された。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が保有する保有するJR九州の1億6000万株を全株売り出す。

10月6日には、IPO売り出しのための仮条件が1株あたり2400〜2600円で決まった。おそらく上限価格の2600円で公募価格が決まる可能性が高いだろう。仮条件の上限から算出した時価総額は4160億円になる。14日までが証券会社ごとに需要を積み上げるブックビル期間で17日には売り出し価格の条件が決定する。正式には条件決定を待って上場市場が決められるが、東証1部になる公算が強いだろう。

主幹事証券は、国内売り出し分は野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券、SMBC日興証券の4社がつとめる。SMBC日興証券を除く3社は海外売り出し分のグローバルコーディネーターも担当する。その他63社が取り扱い証券に入っており、発行済み株式も多いので比較的公募株は手に入れやすくなるのではないだろうか?

政府保有のJR九州株の売り出しはどうなる?

JR九州の一番の魅力は、知名度も高く政府保有株の売り出しであるため堅調なIPOが予想されることだ。政府保有株の売り出しでは、ほとんど初値が公募価格を上回っている。今まで1987年のNTT以降10社あり9勝1敗だ。公募価格割れとなったのは唯一1994年のJT <2914> だけだ。

知名度が高く、はじめての株式投資で参加する投資家も多く、長期保有の投資家が多いからだろう。また、大きなディールであるため、幹事証券がメンツをかけて成功させるとの都市伝説も存在する。

昨年上場の郵政3社は、確かに現在値は初値から大きく沈んでいる。ただIPO時は公募価格を大きく上回る堅調なIPOだった。日本郵政 <6178> の初値は公募価格を17%、ゆうちょ銀 <7182> は16%、かんぽ生命 <7181> は33%も上回った。新興市場のIPOのように何倍にもなることはあり得ないが、初値が大きく公募価格を割ることも想定しづらいというのが一般的な見方だ。