◯中国人富裕層の消費についてのレポート
中国における富裕層の定義には、上記で紹介したものの他に、マッキンゼー・アンド・カンパニーが2009年に行った調査で用いた、年収200万元(約2700万円)以上というものもあります。
マッキンゼーの調査によれば、現在中国では年率15%もの富裕層が増加しており、2015年までには400万世帯を超え、富裕層の数で米国・日本・英国に次ぐ世界第4位に浮上する勢いとのことです。
(他にもグローバルウェルスレポートの調査では、2011年を基にして2017年には中国の富裕層は現状に2倍に増えると予想されており、中国経済の勢いを感じます)
当然全体の給与も上がっており、2012年の中国の物価上昇率は3%ほどであるのに、その給与所得は昨年に対して平均で9.1%増加しています。
また、マッキンゼーのレポートによれば、中国人富裕層は45歳以下が80%を占めているとのことで、若年層が多く消費にも積極的なことが特徴です。
フォーブス研究員が行った資産家に関する調査によると、1000万元(約1億3500万円)以上の資産を持つ中国人の年間消費は、平均200万元(約2700万円)に達しているとのことです。またマスターカードが行った贅沢品市場に関する調査によると、中国人富裕者による贅沢品への消費額は2016年、若者層で総額264億ドル、中高年層で総額180億ドルに達する見込みと言われています。
◯政治的な冷え込みはものともせず、日本にとっても大事なマーケット
内部には貧富の格差など社会問題は多いとしても、これだけの富裕層の厚みを誇る中国は、当然日系企業にとっても大きな市場です。
昨日も以下のような記事がありましたが、政府間レベルで多少の冷え込みがあったとしても、ビジネスとして中国を無視出来るわけはありません。
この記事によりますと、大和ハウス工業は来年から中国の江蘇省無錫市と常州市で、高級マンションを中心とした大規模な住宅販売に乗り出す予定のようです。現在領土問題により日中関係は悪化していますが、大和ハウスが住宅事業を展開している大連や蘇州では好調な販売が続いているようで、さらなる販売先の拡大を目指しているようです。
直近での総理就任が確実視されている、自民党総裁の安倍氏は保守系でタカ派と言われていますが、先の衆院選での大勝後に「日中関係は重視する」という主旨の発言をされており、中国側も好意的に受け止めている様子です。
参考:人民日報日本語版 安倍晋三氏「日中関係改善に努力」
日中相互にメリットのある関係が築けると良いですね。
後編では2012年の中国での長者番付(資産10億ドル以上)を見ながら、最近の中国でビリオネア事情をまとめる予定です。
BY TOMB