ZUUでは過去複数回に渡り、 この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか1/3 や、 90年代、3つのバブルに揺られて〜この20年、日本の億万長者の世界にはどんな変化があったのか?1/2〜 など、米Forbes誌が発表する世界長者番付(10億ドル以上の資産を持つビリオネアのランキング)をテーマにした記事を掲載してきました。
今回は、2012年のForbes(フォーブス)の長者番付に載った中国人に関する興味深い記事がありましたので、参考情報とともに要点を紹介いたします。
参考記事: 2012年中国人長者番付 富の構造変化が反映 人民日報日本語版
少々長い文章となってしまいましたので、お届け情報は前編と後編に分け、前編では、中国の富裕層事情についてお届けいたします。
◯中国は超富裕層や大富豪が多い国
富裕層の定義は明確に定められているものはなく、調査を行う主体が任意に定められています
日本では、世帯年収2000万円から3000万円以上、または金融資産1億円以上を富裕層とするという定め方が主流です。また、グローバルウェルスレポートや
ワールドウェルスレポート
など、外資系金融機関などが行う富裕層調査でも、総資産1億円以上や、金融資産1億円以上を富裕層と定義されることが多くなっています。
2011年の
ワールドウェルスレポート
では金融資産1億円以上を富裕層が富裕層と定義されていいますが、この定義による中国の富裕層は53.5万人いるそうです。
日本には同様の同レポートでの富裕層が約170万人ですので、日本の方が3倍ほど富裕層人口は多いことになります。
しかし、これを純資産5000万ドル以上を持つ超富裕層数とした場合、日本の約3400人に対して中国は4700人と、日中の順位は逆転します。さらに、本日のテーマであるフォーブスの資産10億ドル以上の世界長者番付では、日本人24名に対して中国人は95名と大きく差が広がっています。
現在、日中のGDP規模はほぼ同じで、人口は中国が日本の約10倍ですので、社会全体としては格差の拡大が深刻となっているのかもしれません。
中国の格差深刻化、ジニ係数世界最悪水準 警戒線を超えるという記事によれば、中国のジニ係数(0〜1で所得格差を表し、1に近いほど格差が大きい)が0.61を記録したとのことです。
(ジニ係数は国際的に0.4以上が「社会紛争の多発する警戒線」とされており、日本を始め多くの先進国は0.25〜0.35の間です。)
ちなみに、その他の国でジニ係数が0.6を超えているのは、過去の国連などの調査でも、0.6台はボツワナ、シエラレオネ、中央アフリカ、ボリビア等の一部アフリカ・中南米諸国に限られていたとのことです。