保険会社に預けた保険料は、保障のための準備金と、運用のための準備金と事業を継続していくための準備金の3つの準備金に分けられます。運用に充てられる保険料をいろいろな方法で運用していますので、契約時に約束された金額をほぼ変わることなく受け取ることができます。

また、税制面においてもメリットがあります。保険料の支払いに対しては、所得税の保険料控除が適用になります。医療保険(最高)4万円、生命保険(最高)4万円、年金保険(最高)4万円と支払い保険料によって合計(最高)12万円の生命保険料控除を受けることができます。死亡保険金を受け取る場合は、500万円の相続人数分の相続税非課税枠があります。満期保険金を受け取る際には、保険期間が5年超で、契約者と満期保険金の受取人が同一の場合、一時所得となり、支払った保険料は経費として差し引かれ、50万円が特別控除され課税対象は1/2となります。

貯蓄と保険の違いのひとつに「宛名機能」があり、受取人を明確にしておくことができます。銀行の預金口座の場合は、口座名義人が死亡した場合、口座が凍結し相続が終わるまで、預貯金を引き出すことができません。しかし、保険の場合は、「宛名機能」がありますので、もしもの時には、指定した人に迅速にお金が行くシステムになっています。

保険で資産運用をする時のデメリット

保険会社では、契約者から預かっている保険料のうち、運用のための準備金をさまざまな方法で運用しています。しかし、平成28年2月16日のマイナス金利以降、運用先に困り、運用益が見込めなくなっています。以降、保険会社では、予定利率の引き下げや保険料の引き上げ、販売停止などの処置をせざるを得なくなっています。特に、一時払終身、個人年金保険、養老保険の販売に影響が出ています。

また、保険商品で資産運用を考える場合、保障を兼ね備えている保険は保険期間を考える必要があります。終身保険の場合は、解約返戻金率が一番高い年度に解約することで、運用の効果を発揮します。保険期間が決まっている場合は、満期のタイミングを設定することができますが、期の途中で解約してしまいますと、損をしてしまいます。保険商品を決める際には、ライフプランを鑑み、資金を受け取りたいタイミングにあった保険商品と満期を検討するといいでしょう。

きだ はるか
保険の乗合代理店にて損害保険の個人分野を12年経験。現在、法人向け生命保険分野に従事し、大学でモチベーションマネジメントを勉強中。1972年埼玉県生まれ。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。

(提供: DAILY ANDS

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