厚生労働省の発表によると、2014年度の国民医療費は40兆8071億円で、前年度の40兆610億円に比べて7461億円、比率にして1.9%の増加となっている。 人口一人当たりの国民医療費は32万1100円で、前年度の31万4700円に比べて6400円、2.0%の増加だった。これをGDP、国内総生産と対比してみると8.33%となり、前年度の8.30%を若干上回る結果となっている。
どのような調査なのか?
「国民医療費」とは医療保険制度等による給付、後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付、およびこれに伴う患者の一部負担等によって支払われた医療費を合算したものだ。年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計しており、この中には医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費などが含まれている。
一方で先進医療などの保険診療の対象とならない評価療養や、特別の病室への入院、歯科の金属材料等の選定療養、不妊治療における生殖補助医療等に要した費用は含まれない。また、傷病の治療費に限っているため、「正常な妊娠・分娩に要する費用」、「健康の維持・ 増進を目的とした健康診断、予防接種等に要する費用」、「固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用」も含まれていない。
なお、「人口一人当たり国民医療費」は、総務省統計局「国勢調査」又は「人口推計」の総人口により算出されている。