今年ももうすぐハロウィンですね。ハロウィンといえばコスプレ。
このコスプレですが、実はストレス解消に大変効果的です。コスプレをするだけで、ストレス対処をする上で大切な3つのポイントを、一度に満たすことができるからです。
今回はそのポイントについて、心理カウンセラーの筆者が実体験も交えて解説します。
今いる場所を、非日常に変える
1つ目のポイントは、非日常を作ることです。
たとえ何の不満もない生活だったとしても、代わり映えのしない日常は、閉塞感を生んでしまいます。だからこそ、非日常を体験することで、開放感を味わうことが大切です。
しかし、わざわざお金と時間をかけて遠出しなくても、コスプレをするだけで非日常を体験することができます。
実際に私も昨年のハロウィンで、園児のコスプレをしました。
毎週会っている友人たちと一緒でしたが、自分の気持ちも、友人たちの反応も新鮮だったことを覚えています。服や髪型、メイクなど、何か小さな変化を起こすだけで気持ちの変化も大きくなり、リフレッシュ効果が得られるのです。
子供の自分を喜ばせる
2つ目は「したい」「なりたい」をすることです。
心理学の世界では、1人の人間の心には、大人の自分と子供の自分がいると考えます。
大人の自分が好きな言葉は、「すべき」や「あるべき」。
普段は、この大人の自分を使って、職場でも家庭でも、その環境で求められる、自分の「すべき」役割を演じているものです。
実はこの状態はとてもストレスになります。
幼い頃、親に「いい子にしなさい」「勉強しなさい」と我慢させられるのは、窮屈でしたよね。それと一緒です。
日頃の演じている役割から離れて、子供の自分の望む「したい」「なりたい」を思う存分叶えることは、抑圧されて溜まったストレスを解消する最良の方法です。
この点でも、コスプレは手軽に大きな効果が期待できます。
コスプレで憧れのキャラクターになりきるだけで、心の中の子供の自分は喜ぶでしょう。近年、アニメのキャラクターに扮するコスプレ愛好家が増えているようですが、ストレス対処の観点からすると、素晴らしい傾向だと思います。
表現力を活性化させる
3つ目は、表現力の活性化です。上記の通り、代わり映えのしない日常を、求められる役割を演じて生きることは大変なストレスです。
こうした生活を続けると、表情や言葉の抑揚といった表現力が弱くなりますが、これがストレス増加に拍車をかけてしまいます。
表現力の豊かな人ほど、感情を溜め込まず発散できるので、実はストレスに強いのです。
例えば松岡修造さんが元気でいられるのは、いつも全身で感情を表に出して、溜め込まないからだと私は思います。
コスプレをされたことのある方はわかるでしょうが、仮装をすると、そのキャラクターになりきろうとしますよね。
自然と口調が変わり、表情も大きくなるものです。
私自身、前述の園児のコスプレをした時は思わず「でしゅ」を語尾につけていましたし、同じ場で殿様のかつらを被った友人は、時代劇のお殿様のような口調に変わっていました。
話の内容は普段と変わらなくても、表現が大きくなれば、それだけでストレス解消になります。
コスプレの心理的効果をさらにUPするために
さて、ここまでコスプレがストレス解消にいかに有効かをお伝えしてきましたが、さらに効果を上げるコツも合わせてご紹介します。
それは、全力でやりきることです。
コスプレを恥ずかしがる方も多いですが、人目を気にして無難に済ませては、閉塞感を打開することも、表現力を豊かにすることもできません。
人は、自分が思っているよりも、自分のことを見ていないものです。
また、見られたとしても、すぐに忘れるものでもあります。
街で奇抜な服装をした人を見かけても、次の日になれば忘れていますよね。二度と会うこともない他人にどう思われるかなど気にせず、子供の自分100%で思う存分なりきる事が大切です。
日頃のストレスを解消するためにも、ハロウィンを口実に、今年は是非、コスプレを楽しんでみてくださいね。
藤田大介
DF心理相談所代表心理カウンセラー。2008年よりNPO法人理事、精神科クリニックでのカウンセリング業務等を経験し、2014年に独立。現在、カウンセリングのほか、セミナー・講演等も多数。
(提供: DAILY ANDS )
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