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(写真=Thinkstock/Getty Images)

ヘッジファンドにもFinTech旋風が巻き起こっていることが、KPMGの最新調査から判明した。

総額3000億ドル(約31兆1100億円)の資産を運用する世界各国のヘッジファンド・マネージャー100人に行ったサーベイでは、90%が「コンプライアンスと管理業務を改善するためにFinTechに投資している」ほか、58%が「AI(人工知能)がヘッジファンドの構造に影響をおよぼす」と回答している。

94%が「デジタル化が今後5年間の明暗をわける」と回答

この調査はKPMGインターナショナルが英投資サービス会社、オルターナティブ・インベストメント・マネージメント・アソシエーションと、米ヘッジファンド協会、マネージメント・ファンズ・アソシエーション(MFA)の協力を得て実施された。

88%のマネージャーが「業務を効率化させる手段を見極めること」をFinTech投資への最大の理由として挙げており、94%が「今後5年間にわたりデジタル化が生存競争に勝ちぬくカギを握っている」と確信している。

中でもロボット・アドバイザーに採用されているAIへの関心が高く、進化を重ねるかたちで投資市場で拡大していくものと予想されている。最も注目を集めているのはオートトレード(自動株式売買)システムだ。74%が「今後5年にわたり、ヘッジファンド産業に何らかの利益をもたらす」と見ている。

すでにAIトレードのテスト運転を実施していると報じられているJPモルガンを始め、従来型の人間のマネージャーによる投資判断、あるいはデータ・モデルを利用したコンピューター投資から、AI投資へと時代が移行しつつあるようだ。

分析ツールに関しては若干保守的な傾向が強く、「新たな機会を見極めるために利用している」のは32%。42%は「本当に価値があるかどうかわからない」としてマニュアル分析を継続しており、27%は「導入の検討はいっさいしていない」と否定的。

現在・将来的な最大の懸念はデータ・リスクで、83%が「サイバー攻撃への不安感が年々増している」と答えている。

MFAのリチャード・ベーカーCEOは、多くのヘッジファンド・マネージャーがデジタル改革に熱心な現状を、「規制対応や運営という観点から効率性の向上を目指し、長期的な利益を創出するため」と分析している。投資家や規制当局からの支援を受けることで、将来的にさらなる飛躍が期待できそうだ。

テクノロジーへの投資の継続が、ヘッジファンドを次の成長段階に押しあげていくのだろう。( FinTech online編集部

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