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(写真=PIXTA)

資産保有額が1億円を超える世帯は一般的に「富裕層」とよばれます。資産総額が1億円を超えるようになると「増やす」ことよりも、むしろ「守る」ことに関心を持つようになるそうです。今回は富裕層と呼ばれる人たちの資産運用について考えてみましょう。

1億円の資産を持つ「富裕層」

はじめに、富裕層についてご説明します。

富裕層の定義は明確には決まっていません。一般的に純金融資産保有額によって分類されています。純金融資産保有額とは、預貯金、株式、債券、投資信託、生命保険などの保有資産から負債(借金)を差し引いた額のことです。ちなみに不動産は含まず、金額ごとに次のようにわけられます。

超富裕層:純金融資産保有額5億円以上
富裕層:純金融資産保有額1億円以上
準富裕層:純金融資産保有額5,000万円以上1億円未満
アッパーマス層:純金融資産保有額3,000万円以上5,000万円未満
マス層:3,000万円未満

今回焦点をあてているのは、この超富裕層、富裕層と呼ばれる世帯です。この富裕層を国税庁では有価証券の年間配当が4,000万円以上、所有株式800万株(口)以上などさらに細かく設定しています。また、『いわゆる「富裕層」への対応』として実態調査を行うなど、国税庁が富裕層の課税強化にのりだしています。

このような背景から、富裕層は資産を「守る」ことに感心を持っているようです。では、資産を守るためにどのような方法が注目されているのでしょうか。

富裕層も大注目の確定拠出年金(日本版401k)

資産運用の手段として高い注目を集めているのが、掛金が所得控除の対象になり、節税効果の高い日本版401k「確定拠出年金」です。

401kは原則的に60歳まで引き出せません。「自分で老後の資金を作る」ためにできた制度です。企業型の確定拠出年金(企業が制度を実施するかどうかを決める)と個人型の確定拠出年金(iDeCo)があります。

個人型は、自営業者など国民年金保険料を納めている人、会社員だけれども、企業年金のない人たちが対象でした。2017年1月からは主婦や公務員も加入対象者になります。2016年8月現在で加入者は企業型581万人、個人型28万人に過ぎませんが、他の金融商品にはない節税効果が魅力で利用者は急増するとみられています。