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(写真=PIXTA)

自宅に居ながらでも医師の診断を受けられる遠隔診療。これまでは離島など限定された地域だけでの利用だったのが、最近は都市部でも広がっています。ターゲットは、持病を抱えているのに病院に行く時間がとれない、と嘆く多忙なビジネスマンたちです。現代人のライフスタイルにマッチした遠隔診療の今を解説します。

遠隔診療サービスの解禁

これまでの遠隔診療サービスというと、医師不足に悩む離島やへき地などの患者向けというイメージでした。厚生労働省は「診療は医師との直接対面が基本」として、遠隔診療については限定的な地域や条件下だけでの運用を認めていたため、普及の遅れをまねいてました。

しかし2015年に厚生労働省の法解釈やルールが変わったことにより、再診については遠隔診療が解禁されました。

もともと電子カルテの普及を狙って、インフラ整備を中心に進んでいたのが遠隔医療サービスです。インターネットを使い、映像や音声で遠隔地の患者の診断をするシステムは変わりませんが、今回の解禁で、遠隔診療のサービスが都心部などでも利用可能となりました。

忙しくて通院できない患者に朗報

こうした遠隔診療のクリニックが想定しているのは、仕事が忙しく、なかなか通院できないというビジネスマンたちです。対象となる症状は、アトピー性皮膚炎、便秘症、アレルギー性鼻炎など、継続治療が必要なものや、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった、病状が安定しているものの定期的な服薬が必要になる症状も含まれます。治療を中断して、時間を置いてから再開、また中断するといった、治療への本気度が足りない人たちにもアピールする狙いです。

遠隔診療は、初診については、これまで通り対面診療が原則です。また、急性疾患は対象となりません。診療所によって診療のやり方は違いますが、まず来院時に遠隔診療を希望するかどうか相談します。患者はインターネットのサイトから予約し、その予約日に自宅などでビデオチャット機能を使って医師の診断を受けます。スマホを使うことも可能です。