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(写真=PIXTA)

不動産投資などで成功した投資家には、誰しもが学ぶべき知恵と戦略があるものです。しかし、他人の成功物語に学ぶ前に、まずは自身の投資術を見直す必要があるでしょう。うっかりすると、「二流」の投資術や思考法が身に付いているかもしれません。

ここでは、投資術における「一流」と「二流」の違いを考えてみます。

一流の投資家は自分に投資する

ライフスタイルや生活態度から、人生観まで透けてみえることがあります。家族を顧みず、生活の中心が仕事というサラリーマンは、今の時代、二流なのかもしれません。その一方で、家族と過ごす時間を大切にし、ストレスを上手に発散させている、現代の「できる」人は一流の生活術を身に付けているといえるでしょう。

投資でも同じことがいえそうです。「一流の投資家は、まず自分に投資する」といいます。あてもなく投資先を探し回るのでなく、自分の専門分野や得意分野を伸ばすことにお金と時間をかけます。スキルを磨いた上で、金融商品や不動産に投資するのです。一流の投資家は、日々の生活の中で投資術を編み出し、リスクを避けるライフスタイルが信条となるようです。

二流の投資術に陥る3つの習慣

不動産投資などで二流の投資術に陥りがちな人に共通する欠点を、以下に紹介する3つの「習慣」とよぶことにします。それは、安易に物件購入に走る「見切り発車」習慣、投資を決断できない「迷い」習慣、そして何でも人に任せてしまう「おまかせ」習慣です。

1. 「見切り発車」習慣

「見切り発車」習慣とは、いわば衝動買いのようなものです。街角のウインドウショッピングで衝動買いをする人はいるでしょう。高額な不動産投資となると「それはないだろう」と考えがちです。しかし、営業マンの勧めるままに物件購入の「見切り発車」をして、結果的に失敗した人は少なくありません。

「アパート経営は相続税対策になる」といった営業マンの誘い文句で、よく考えないままにアパートを建ててしまうケースなども同じです。駅まで歩いていけないようなエリアに建築して、入居者の望む設備が付いていなかったことに後から気付いても遅いのです。空室が増えて返済に窮するようになります。じっくりとアパートの特徴などを不動産会社ごとに比較、検討した上で決断するぐらいの姿勢が求められます。

また、最近、不動産市場の過熱感が指摘されています。その背景にあるのが、金融緩和で行き場をなくしたお金です。これはJ-REIT(不動産投資信託)への投資や、アパートローンなどを通じた資金が不動産市場に流入したためだと指摘されています。しかし、過熱感があるとはいえ、優良物件を中心に新規物件を手掛けるデベロッパーや投資法人ファンドなども少なくありません。

不動産価格が上がって表面利回りが下がっても、低金利下で資金調達コストが下がっているため、実質利回りは維持できます。

お金の使い方にも、一流と二流の差が出ます。「やっぱりやめようか」「しばらく待とう」と、見切り発車せず立ち止まることも必要です。