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(写真=Thinkstock/Getty Images)

バイナリーオプションというものが、注目を集めたのはごく最近のことである。定められた時点での、為替相場が上がるのか、下がるのかを予想するものである。単純に上がるか、下がるかを当てれば良い、ということから若者を中心に人気である。しかし、オプション取引というのは、何も為替だけではない。また、簡単なように見えて実はとても複雑で、知識が必要なものなのだ。

今回は、オプション取引という投資方法について考えてみたい。


オプション取引とは

そもそもオプション取引とは、どのようなものを指すのかだろうか。オプション取引とは、デリバティブ商品の一部である。デリバティブとは、金融派生商品と訳される。オプション取引は「将来の決められた時点に」「特定の原資産を」「現時点で取り決めた価格で」「売買する権利」を取引するものである。よく似たものに、先物取引がある。具体的に比較してみよう。

あなたがもし、来月に発売される100万円の商品を90万円で購入する「契約」をしたとする。ところが、実際に販売されると110万円の価格がついていた。あなたは90万円で購入出来る契約をしているので、同じ商品を90万円で購入することができる。つまり、20万円安くその商品を手にすることができた。反対にその商品が80万円で販売された場合には、10万円多く支払わなければならないのだ。これが先物取引である。

一方、オプション取引の場合はどうだろう。同じく来月に100万円の新商品が発売されるとする。あなたは、それを90万円で購入する「権利」を1000円で購入した。それを「プレミアム」と呼ぶ。

その後、その商品に注目が集まり、価格が大きく変動した。現在、110万円の価格となっている。その場合、その時点で持っている「権利」を売却することができるのだ。その時の利益は、差益20万円からプレミアム分を差し引いた19万9000円ということになる。もちろんそのまま権利を行使し、決められた時点での価格で購入することもできる。

ただし、価格は常に変動するため、大幅に90万円を下回った場合には、途中で権利を放棄することもできる。その場合の損失はプレミアム分の1000円のみである。

これが、先物取引とオプション取引の違いである。ここでは、商品を「買う」前提で話をしたが厳密には、どちらも「売り」で入ることもできるのがこれらの特徴である。「売り」で入る、という部分に違和感を覚える方もいるかもしれないが、これらの取引は証拠金取引と呼ばれ、一定額を口座に入金することでそれを担保にした取引なので、「売り」という方法も可能なのである。

オプション取引はこれを覚えよ

オプション取引の一番複雑な部分に、「コールの買い」「プットの買い」「コールの売り」「プットの売り」の4つの立場を取れるという仕組みがある。一度理解してしまえば、難しいことではない。それぞれ見ていこう。

コールの買い

コールとは、買う権利のことを指す。つまり、先ほどの例で言えば新商品を一定価格で買う権利を購入するのがコールの買い、である。

プットの買い

プットとは、売る権利のことを指す。現実には、手元に具体的な商品があるわけではないが、ある時点である価格で売る権利を買う、ということだ。これら「コールの買い」「プットの売り」の二つは買い手の立場である。

コールの売り

これは、権利の売り手の立場である。「コールの買い」をするものに、その権利を売るので「コールの売り」ということになる。

プットの売り

こちらも権利の売り手の立場である。「プットの買い」をするものから、権利を購入するので「プットの売り」ということになる。

オプション取引のメリット

先ほども触れたように「売り」の立場を取れるというのは、オプション取引のメリットと言える。株式の個別銘柄を保有する場合、信用取引の場合には「売り」も可能だが、基本的にはその企業の株価が上がることを前提に購入をする。

オプション取引の場合、価格の上昇だけではなく、下落も利益とすることが可能なのである。つまり、価格は常に変動しているものなので、その分チャンスが与えられるとも言える。

オプション取引の最大のメリットに少額での投資が可能な点が挙げられる。先ほども説明したように、オプション取引は証拠金取引である。つまり、実際に入金している金額を担保に、実際の金額以上の取引ができる。そこで得た利益は、もちろん自分のものとなる。これは、レバレッジ効果(てこ)と呼ばれている。

また、オプション取引では途中で権利を放棄することができると説明した。これもメリットの一つだろう。つまり、価格変動が自身の思惑に反した動きの場合、このままでは大きな損失が出てしまう、と思えば期日前に権利を放棄することができる。その場合の損失は、プレミアム(権利購入金額)のみに抑えることができるのだ。

オプション取引のデメリット

ここまで読んでいただくとわかるように、ある意味オプション取引は、通常の投資とは視点が異なっている。それはつまり、オプション取引に特化した知識の取得が求められるということだ。

また、大きなリターンが期待できるということは、その分損失も大きくなる可能性があることを忘れてはいけない。場合によっては、追加で証拠金の入金が必要となるリスクもある。

オプション取引は儲かるのか?

実際にオプション取引は儲かるのか、と疑問に思う方もいるだろう。もちろん、投資であるという以上、利益を出し続けている人はいる。それはオプション取引を専門にした知識を身につけている、先を見通すだけの能力が備わっている人であることは言うまでもない。

「上がるか下がるかだけなら、初心者でも簡単そう」と思う人も多いかもしれない。しかし、オプション取引にも深い知識は必須である。

また、価格の変動はどの原資産を扱うかによっても変わるだろう。価格の変動は、それぞれの対象によって、くせや傾向がある。そうしたくせや傾向を日々分析する能力、経験、ニュースなどの情報を誰よりも早く入手するといった機動力も必要だろう。

オプション取引の売買戦略を学ぶ

まずは、入門書を読み知識を深めることから始めるのが一番の近道だろう。では、その後実際に取引をするにあたっての戦略について解説する。

基本的には、可能な限り安くプレミアムを購入し、可能な限り高く売るという戦略になる。今の価格が低いが、その後値上がるというシチュエーションである。期日前にその反対売買を繰り返せばいいということなる。ただし、これにはチャートを読む力に加えて、その原資産の価格変動要因となりうるものを常にチェックする必要があるだろう。

また、ポートフォリオの一環としてオプション取引を取り入れている投資家もいる。例えば現物取引で同じ原資産を対象に投資を行っている場合、予期せぬ下落などに備え、オプション取引で反対のポジションを持つ。

それにより、損失を抑えるというものである。もちろん、プレミアム分の損失は出るが、予期せぬ下落の場合にはそのプレミアムは保険のように働くことになる。つまり、掛け捨ての保険のような使い方もあるのだ。

一つの選択肢として

よくオプション取引は「半丁博打」と呼ばれることもある。確かに、価格の変動は予期せぬことで大きく起こりうるものなので、ある時点での価格を見通すことはかなり難しいと言える。しかし、少額で可能な投資の中でも、オプション取引は大きなリターンが得られる可能性もあるものである。オプション取引を一つの選択肢として、他の投資と組み合わせて行うことで活用してみてはどうだろうか。