世界15カ国・地域中、中国の消費者が最もFinTechサービスに親しんでいることが明らかになった。調査に協力した中国の消費者の約84%が、「FinTechサービスを1つ以上利用している」と回答している。

次いでインド、アラブ首長国連邦と、銀行へのアクセスが確立されていない新興国が並ぶ。日本は11位だが、2.5人に1人が何らかのFinTechサービスを利用しているとかなりの高確率だ。

世界最大のeコマース国、中国を筆頭とするアジアでの普及率は58%

このランキングは仏国際コンサルティング会社、キャップジェミニが8000人の消費者を対象に実施したサーベイに基づいて作成したものだ。利用者の定義は従来型の金融機関サービスとの併用も含め、「バンキング・決済・送金・投資マネージメント・保険などのFinTechサービス利用経験がある消費者」を指している。

8000人中、全15カ国のFinTechサービス利用者は50.2%。アジア地域は最も普及率が高く、58.6%に達している。その中でも飛躍しているのは、世界最大のeコマース市場に急成長を遂げた中国だ。人口規模を考慮にいれると1位は納得の結果である。ネット市場の巨匠、アリババが提供する「Alipay(支付宝)」が中国を代表するFinTechサービスであることは、今さら説明するまでもないだろう。

改善傾向にあるとはいえ、いまも銀行口座所有率が低いインドやアラブ首長国連邦でも、多くの消費者がモバイルを利用したサービスで日常的な金融取引を行っている。

これらの需要から創出されたFinTech人気とは異なり、UKや米国、日本ではサービスの利便性や低コストに対する評価が利用率を押しあげたものと思われる。これらの地域では従来型の金融機関サービスとの併用が一般的だ。

どこからでも好きな時に気軽にアクセス可能なFinTechサービスが、幅広い層の顧客獲得に成功したのは当然の結果だ。多様な金融包摂を提供するという点で、FinTechの概念にそった流れといえるだろう。

最も消費者にFinTechが浸透している国ランキング

15位 オランダ(29.8%)
14位 ベルギー(30.4%)
13位 フランス(36.2%)
12位 カナダ(39.6%)
11位 日本(40.6%)

10位 オーストラリア(42.8%)
9位 米国(45.8%)
8位 UK(48.8%)
7位 トルコ(51.6%)
6位 シンガポール(53.0%)
5位 スペイン(53.3%)
4位 香港(53.5%)
3位 アラブ首長国連邦(69.6%)
2位 インド(76.9%)
1位 中国(84.4%)

FinTech online編集部

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