アメリカ

米国の貿易収支が過去最高の赤字額(472億4000万ドル、米商務省発表)となり、景気拡大に伴う輸入(中国、欧州等から)が増大している事が分かりました。貿易収支とは端的に表すと輸出と輸入の差分で、米国の場合は輸出よりも輸入が多いという事を表しています。輸出国である日本の景気が回復しているのは堅調な米国消費に下支えされているからだと言えます。過去の景気の浮き沈みは全て米国経済と強い相関を持っており、世界的な好景気がいつまで続くのかは米国消費次第といっても過言ではありません。しかし、打ち出の小槌の様に無限に消費が続く事はありません、少し過熱気味な相場はいつまで続くのでしょうか。

今後の相場の先行きは米国住宅価格のトレンドが大きなカギを握っていると考えてよいでしょう。米国の旺盛な消費を支えているカラクリは住宅価格を担保にした借金が非常に大きな割合を占めます。リーマンショックで住宅価格が暴落して多くの人が破産に追い込まれた現在でもその構図に大きな変化はありません。米・S&P/ケースシラー住宅価格指数を見てみると分かる様に2011年半ば以降から現在にかけて20%近くも上昇しています。米国中央銀行FRBが政策金利をゼロ付近に誘導する低金利政策を取っている事が住宅ローンの新規契約を促進して住宅価格を押し上げていると考えられます。

しかしながらインフレ圧力が強くなってきており、政策金利は2015年度中に少しずつ利上げされると予想するマーケット参加者が多くなっています。このまま景気が拡大していけば2015年の初頭に利上げとなる可能性が高く、1つの節目と考えられています。これまで実施されてきた一連の巨額金融緩和策も縮小に向かうと考えられFRBが水道の蛇口をどのくらいゆっくりと締めていくかが注目されます。

日本の場合、過去のバブル景気で急激なオペレーションによりデフレを招き20年間を失う結果となりました。米国経済はカンフル剤を打ち続けながら世界金融危機を乗り越えて今に至りますので、それらが無くなっても自走できる経済環境にまで回復しているかどうかがポイントとなりそうです。

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