Google、IBM、Insead、ロイター、Microsoft、JPモルガン、スタンダード・チャータードといった国際大手の支援を受け、ニューヨークを拠点とするIT教育機関、Byte Academyがシンガポール進出を果たす。
年内の開校を予定しており、8週間・12週間の短期集中FinTechコースを開設。2021年までに総生徒数2000人を目指している。シンガポール金融管理局(MAS)や地元企業とも積極的に提携し、シンガポールでの優秀な人材育成に力をいれるほか、将来的にはほかのアジア地域への進出も検討している。
2020年までに3万人のプログラマー創出を目指すシンガポール
世界初のFinTechコースを開設したことで知られるByte Academy。ブロックチェーン、データ・サイエンスなど、最新のテクノロジーに焦点を置いた教育コースを提供している、数少ないソフトウェア専門学校だ。メッド・テクと呼ばれる、ビッグデータやAI技術を利用した医用技術コースも提供している。
そのByte Academyが初の海外進出先として選んだのがシンガポールだ。ターマン・シャンムガラトナム副首相兼経済・社会政策調整相が自らニューヨークを訪れ、Byte Academyの共同設立者、ラック・チュー氏に、シンガポールのFinTech先進国としての野望を力説したという。
その後チュー氏もシンガポールを訪問し、「ニューヨークのFinTech初期発展段階との共通点を見出した」と、シンガポールが世界屈指のFinTech都市として成長する無限の可能性を確信したそうだ。
この試みは多数の企業の関心を集め、シンガポールの資金調達ラウンド「Tri5 Ventures」で267万ドル(約2億7882万円)を獲得。金融機関からテクノロジー企業まで国際大手との提携で、FinTechの国際教育をダイナミックに展開していくとの期待が高まる。
シンガポールの12週間コースでは、即戦力につながるFinTech技術が身につくだけではなく、提携企業での雇用チャンスも保証されている。銀行やテクノロジー企業への就職を狙っている生徒には理想的な環境だ。
FinTech技術の前進を目指し、欧米諸国との提携関係を積極的に拡大しているシンガポールでは、2020年までに3万人のプログラマーの育成を試みている。電子情報技術産業協会(SITF)などが先導して主にFinTech、データ・サイエンスでの人材を創出し、政府の情報化政策の具体化に乗りだしている。
デジタル技術が新たな経済基盤となることを多くの国が認識しはじめた今、Byte Academyのような次世代教育機関がますます増えていくだろう。( FinTech online編集部 )
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