プライベートブランドの成功

最近では、コンビニエンスストアやスーパーにプライベートブランドの商品が並ぶことは珍しくなくなりました。セブン&アイでも「セブンプレミアム」という名前でプライベートブランド商品を扱っています。従来、こういったプライベートブランド商品は「価格(=安さ)」を重視した商品展開をすることがほとんどでした。例として、イオングループの「トップバリュ」などが挙げられます。

これに対し、「セブンプレミアム」では「価格」ではなく「品質」を重視した商品展開を行ってきました。その結果、単品で年間売上10億円を超える商品が115品目にものぼっていると言われています。通常のメーカーでは、単品で10億円を売り上げれば大ヒットとも言われる数字です。いかにすごいかがお分かりいただけましたか?品質重視の姿勢が、安さだけではなく品質を求める消費者の心をつかみ、ヒットにつながったとも言えるでしょう。

綿密なシニアマーケティング戦略

高齢化社会、と言われる現代。シニアをどう取り込むかということは小売業の経営戦略において重要なポイントとなります。セブン&アイではどのような取り組みをしているのでしょうか。

特徴的な取り組みとして「セブンミール」が挙げられます。これはお惣菜や弁当はもちろん、店内で扱っているものなら何でも届ける、というサービスです。全国のセブンイレブン約10,000店舗で行われています。注文金額が500円以上なら配送料は無料、500円未満なら配送料は200円と利用しやすい料金設定になっていることも特徴です。「買い物弱者」と呼ばれているシニア世代にとっては、利用しやすいサービスとなっています。

最後に、セブン&アイの経営戦略を一言で表している言葉があるので引用いたします。
「ニーズの変化を受け止め、徹底的に対応する。『他社を見るな。お客の変化だけを見ろ』と言っている」
これはセブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長の言葉です。この言葉からも分かるように、セブン&アイの多種多様な経営戦略は、「すべてはお客様のために」という熱い思いから発生しているものともいえるのです。それこそが、消費税の増税にも関わらず多数の消費者の心をつかむ原動力ともなっているでしょう。

photo:セブンイレブン / shibainu