読者のみなさんは「お金」は好きですか?
どれくらい好きですか?
財布に入っている「お金」を真剣に見たことがありますか?
お金には、紙幣(お札)と貨幣(硬貨)があります。では、紙幣と貨幣にはどんな違いがあるのでしょうか。
紙幣は紙で、貨幣は金属で造られています。それは素材の違いですね。ちなみに、オーストラリアのお札などは、プラスッチックを使っているそうです。でも、ここで取り上げるのは素材の話ではありません。
今回は、一般の人には難しいと敬遠されがちな「お金の話」を分かりやすく紹介しましょう。
紙幣は日本銀行が発行する「借用書」です
紙幣と貨幣は、発行体が違います。1万円札を良く見ると「日本銀行」と書かれていますね。さらに大きく「日本銀行券」と書いてあります。紙幣の発行体は、日本銀行です。
日本銀行券とは、つまり債権のことです。
読者のみなさんの目の前にある1万円札は、日本銀行がみなさんから1万円を借りたことを証明する「借用書」ということができます。
一方、貨幣はどうでしょうか?「日本国」と書いてあります。もうお分かりですね。貨幣は、政府が発行しているものです。
それにしても、日本銀行にお金を貸していることを意識している人は意外と少ないのではないでしょうか。もう少し詳しく「お金」について見てみましょう。
日銀が供給する「お金の量」はどんどん増えている
具体的に「お金の流れ」を追ってみましょう。
紙幣、つまり「日本銀行券」は独立行政法人国立印刷局がつくり、金融機関が日本銀行の当座預金から引き出しています。
まず、政府が国債(国が出している債券で、国がお金を借りるための借用書)を発行します。金融機関は国にお金を貸して、借用書(国債)としてそれを受け取ります。
次に、その借用書(国債)を日本銀行が買い取ります。その買い取りの際に日本銀行券(紙幣)を使います。このようにして市場にお金が供給されるのです。
日本銀行が国債をどんどん買っているので、市場に供給される「お金の量」もどんどん増えているということになります。