貯蓄,お金を貯める
(写真=PIXTA)

一人暮らしの約5割の人が、「貯蓄ゼロ」だということをご存知だろうか。貯蓄がない世帯は、3世帯のうち1世帯以上に当たるというが、それが一人暮らしになると、約半数の人は貯蓄ができていないのだ。

実際、「一人暮らしだから貯蓄は難しい」と諦めてしまう人は多い。なぜそのような状況が生まれるのか。また、一人暮らしで貯蓄ゼロの人は、今後どのように家計を改善していけばいいのだろうかを解説していこう。

貯蓄していない一人暮らし世帯の割合は?

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査(2015年)」では、金融資産(ここでは貯蓄とする)を保有していない一人暮らし世帯は47.6%。約5割が「貯蓄ゼロ」ということになる。一人暮らしの約5割の人が貯蓄できていないというのは、本当だということがわかる。

次に、年代別ではどうだろうか。同調査の結果では、20代で62.6%、30代で45.3%、40代で44.9%、50代で43.5%、60代では34.9%が貯蓄をしていない。軒並み高い水準だが、20代では特に割合が大きい。また、老後が近づく50代、60代でも貯蓄をしていない人は少ないとは言えない。

さらに、同調査から貯蓄をしていない人のデータを年収別にまとめたのが以下になる。

・300万円未満……55.2%
・300~500万円未満……37.3%
・500~750万円未満……27.8%
・750~1000万円未満……18.8%
・1000~1200万円未満……17.4%
・1200万円以上……7.1%

基本的には年収が多いほど貯蓄をしている人の割合は増えているが、比較的余裕があると思われる世帯でも、一定割合が「貯蓄ゼロ」だ。

一方、年収が300万円以下でも約半数の人は貯蓄をしていることがわかる。貯蓄ができるかどうかは収入に左右されるのではなく、貯蓄をする意識があるか否かにかかっているとも言えるのではないだろうか。