空き家,空き家バンク
(写真=PIXTA)

2020年の東京オリンピック開催決定後、スポーツの祭典の舞台となる首都では、タワーマンションなどの住宅価格が上昇し、不動産市況はすでに賑わいを見せている。その一方で、人口減少社会の日本が直面しているのが、住宅の空き家問題だ。今や8軒に1軒が空き家と言われており、その増加に歯止めがかからない。

2033年には「3軒に1軒が空き家」 この20年で40%増加

総務省統計局の住宅・土地統計調査(2013年)によると、空き家数は5年前の前回調査から8.3%増加して820万戸に上り、住宅全体に占める割合は13.5%となった。空き家率は右肩上がりで推移し、1993年はその割合は9.8%だったが、20年の期間で約40%も増えた。

各都道府県でも空き家率の割合にばらつきがあり、別荘などの住宅を除いた空き家率が最も高いのが山梨県の17.2%で、最も割合が低い宮城県(9.1%)と比較すると、倍近い空き家の数が存在する。さらに、野村総合研究所は2033年の空き家数は30.2%までに上昇するという見通しを示し、実に3軒に1軒が空き家となる衝撃的な予想となった。

空き家の増加で懸念されるのが、メンテナンスが行き届いていない家屋が台風などの自然災害により倒壊したり、放火されたりするリスクだ。また、不法入居者が空き家に住み着くなどして地域の治安が悪化し、空き家以外の住宅にとっても当該エリアの住宅地としての価値が下がってしまう危険性がある。