サイドチェーン,米国,決済,特許
(写真=Thinkstock/GettyImages)

米国特許商標庁は11月10日、ブロックチェーン・スタートアップ、ブロックストームによるサイドチェーン技術(複数のブロックチェーンに双方向性を与え、決済の高速化など取引を向上させる技術)の特許出願書を公開した。

この新技術によって取引の承認時間が劇的に短縮され、安全性の高い高速決済が実現する。独自の仮想通貨設計からスマート・コントラクト、スマート・プロパティーなど、様々な目的にサイドチェーンを用いることで、ブロックチェーンのエコシステムが大幅に拡大されることが期待できる。

ビットコインの中心開発者スタートアップによる「デジタル版通貨ペッグ」

特許は今年5月に申請されたもので、特許防衛ライセンス(DPL)取得にともない、今回初めて一般アクセスが可能になった。ペアレントチェーン(親)からサイドチェーンへの資産移動が簡単、かつ自由に行えるようになる革命的な技術として、以前から注目を浴びている。

ブロックストリームが開発を進めてきたサイドチェーンは、ブロックの承認時間に左右されずに安全な即時資産移動を実現する技術だ。簡単に説明すると、セキュリティー性や信用性を損なうことなく、独自の仮想通貨取引を実現させる「デジタル版通貨ペッグ」の役割を果たす。

仕組みとしては、新たに独自のサイドチェーンを設計する。利用希望者はサイドチェーンを通して、ブロックチェーン上のビットコインを新仮想通貨に変換する。複雑な換算でコイン数を変えることなく、純粋な価値のみがサイドチェーンに移動する。永久的に変換する必要はなく、好きな時にブロックチェーンに戻すことで、ビットコインに再変換することも可能だ。

ロックストリームは、ビットコイン開発の中心メンバーだったアダム・バックCEOや、グレッグ・マクスウェルCTOが立ちあげたスタートアップだ。設立わずか2年間で760万ドル(約8億2277万円)の資金調達に成功した。

ビットコインの基盤アルゴリズム「ハッシュキャッシュ」の開発者として知られるバックCEOは、マルチ・アプリ・プラットフォームを構築する手段の一環として、サイドチェーンの開発に挑んできた。

「既存の銀行システムとは比較にならないほど、ブロックチェーンが優れている」と、長年力説してきた成果の結晶がサイドチェーン技術である。既存の銀行システムの致命的な弱点は、社内データベースを基盤とするため内部からの攻撃に脆い点だ。取引開始から終了まで情報を暗号化し、不可逆的に進行するブロックチェーン・システムとは根本から異なる。

サイドチェーンという無限大の可能性を秘めたパートナーが加わったことで、「ブロックチェーンは中央銀行よりも大きく効率的」というバックCEOの言葉が、ますます現実味をおびてきた。( FinTech online編集部

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