ウイルス,マルウェア,スマートテレビ,ランサムウェア
(写真=Thinkstock/Getty Images)

スマートテレビが普及し始めている。インターネットに接続し、PC同様にネットサーフィンや動画再生などを可能とする新しいタイプのテレビだが、インターネットを利用する場合にはあらゆる脅威に晒されている。

スマートテレビに対する脅威はPCやスマホと同等

インターネットに接続できるテレビはインターネットの黎明期に存在したが、回線速度や操作性などの問題から広く普及することはなかった。その時代にもPCに関するウイルスなどは存在したが、テレビがウイルス感染するなどありえないと誰もが考えていた。

現代のスマートテレビではAndroidなどの汎用OSを搭載しており、その上でアプリを起動することにより様々な「スマート」機能を実現している。つまり、Android上で存在するインターネット上の脅威や脆弱性があるとすれば、その危険性もテレビに存在する。

2016年6月にトレンドマイクロがAndroid上で動くランサムウェア「FLocker」にスマートテレビが感染し、すべての操作をロックするという事例を国内で初めて確認した。ランサムウェアはPCやスマートフォンに感染し、画面に大きく「ロックを外したければカネを支払え」と表示し、「人質」としてPCやスマートフォンの操作を阻害する。これと全く同じ被害がスマートテレビに出始めたという事になる。

感染経路や仕組みもPCやスマホとほぼ同じだが、事後の対策は……

PCやスマートフォンがウイルスに感染する理由としては、特定のサイトにアクセスし、脆弱性を悪用されて不正なソフトウェアをインストールされるというものが一番多い。スマートテレビではブラウザによるネットサーフィンが可能なため、まったく同じ原理で感染する。先述の「FLocker」はスマートフォンでは数多くの感染が確認されており、これがスマートテレビにも「移植」された形となる。

これらを防ぐためにはアンチウイルスソフトが必要となり、既にAndroid用のものは開発されて広く使われているが、スマートテレビ専用のものが用意されているわけではない。

スマートフォンやPCがウイルスに感染した場合にはアンチウイルスソフトで駆除可能であり、最終手段として端末を初期化するという手段があるが、スマートテレビの場合はユーザーによる初期化などは(機種にもよるが)基本的に難しい。もし感染した場合は操作がロックされる場合がほとんどなので、結局メーカーに問い合わせするしかないという状況になっている。

AndroidはケーブルテレビのSTB(セットトップボックス)にも使われているが、この場合はアンチウイルスソフトがケーブルテレビ会社経由で提供されており、ある一定の防御効果は見込めるものの、PCやスマホを使う時と同等の注意は必要となる。

IoTで数が多くなれば脅威も増す

インターネットテレビはIoT(モノのインターネット)の代表格として考えられている。IoTに対する脅威は昨今問題が表面化しているが、組み込み型OSを使っているものより、汎用OSを使っているもののほうが危険性は高い。スマートテレビも同様だが、絶対数が膨大でユーザー数も多いため、攻撃の標的となる危険性も高い。

組み込み型に対するウイルスは開発が困難だが、汎用OSに対するウイルスは開発が比較的容易で、色々なところで「流用」も可能だ。事実、スマートテレビが感染したものは、スマートフォンのものを「流用」されている。

複雑な操作にはまだスマートテレビを使わないほうがいい

Android(iOSもだが)やPCには、事前の対策としてアンチウイルスソフトがあり、感染した場合の対策も数多く存在する。しかしスマートテレビの場合は対策が難しく、事後の処理もかなり煩雑となる。

これらテレビに搭載するタイプの汎用OSは現在過渡期にあり、すべてのスマートテレビに十分な対策が立てられるようになるまでは、少なくともネットバンキングや株式取引など特にセキュリティが必要となる操作は避ける事をお勧めしたい。

もちろん「テレビを見るだけ」という目的でネットを利用しないのであれば感染のしようがないので、問題はほとんどない。またネットサーフィンをするにしろ、信頼のおけるサイト以外には接続しないことが(PCによるネット使用時以上に)重要となる。

万が一スマートテレビが感染し、それがランサムウェアのように金品を要求するものであっても、PCやスマホがランサムウェアに感染した場合同様、カネを払う事は全く得策ではない。ランサムウェアにカネを支払っても、ロックを解除できるとは限らないからである。

IoT、特にテレビに関してはユーザー数も多く、ユーザーが自由に対策を立てられないものに関してはメーカーの対策が必須となるため、早期の解決が望まれる。何らかの対策が取られるまでは、ユーザーは「危なそうなサイトにはアクセスしない」などの自衛をするしかないのが現状である。(信濃兼好、メガリスITアライアンス ITコンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
最前線で活躍する大人のスキンケアの心得とは(PR)
ZUU online8月記事ランキング 丸井は百貨店ではない、300万円超えのスーパーマリオ……
デキるビジネスパーソンは脂を身体に乗せず、仕事に乗せる。(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
NISA口座おすすめランキング、銀行と証券どっちがおすすめ?(PR)