fx失敗
(写真=PIXTA)

じっくりと腰を据えてFXを行う人は、FXとは決してギャンブルではないと言う。しかし、FXをギャンブルと呼ぶ人はまだまだ多く、中には丁半博打だとまで言う人がいる。何故このように相反する、両極端な意見が出てくるのか。それは、成功している人が確かにいるのと事と同様も、確かに失敗した人もいるからである。

目次

  1. FXで失敗した人の末路は悲惨?
  2. FXで失敗原因1 余剰資金に手を付けている
  3. FXで失敗原因2 高レバレッジでの取引
  4. FXで失敗原因3 損切りができない
  5. FXで失敗原因4 運で取引をする
  6. これからFXをはじめようとする人に

FXで失敗した人の末路は悲惨?

失敗した人の末路は、かなり悲惨と言っていいものが多い。金額の推移だけを拾っても820万を140万にした、400万を12万にした、2998万が12万になったなど。数字を見ているだけで目頭を押さえたくなるような惨状だ。

失敗した人からすれば、ギャンブルで負けたように感じるのも無理はない。しかし本当にそうだろうか?ルールをよく理解しないままやった遊びで、全く知らない方法で酷い負け方をしたことはないだろうか?FXも同じ様なものではないだろうか。

FXで失敗原因1 余剰資金に手を付けている

失敗の第一歩は「余剰資金以外を使った」というものだ。破産にまで到達する唯一にして最大の原因はこれだ。もちろん、最初から使うつもりの人はいない。この失敗を行ってしまうのは「ロスカット防止」や「ナンピン」など、緊急時につい使ってしまったという人が多いようだ。

この場合「すぐ取り返せるから大丈夫」という考えが頭のなかにあるという。FXは元本保証がある安全な金策ではなく危険を伴うものだが、四六時中危険なわけでもない。平時にはそこまで危険が伴うわけではなく、むしろ儲けが出るほどだ。「最初に思っていたよりもなんとかなる」という認識が、この後の全てを狂わせていく事になる。

失敗してもなんとかなる、リカバーできると思えば、本来勝負するべきでない場面でもトレードに踏み切るようになっていく。経済指標が発表される前後や、大きな政変がありそうなタイミングは値動きが荒く読みづらいため、トレードには適さない時期だ。

しかしミスをしても取り返せるという思いがあると、人は大胆になる。欲目が出る。そして「勝ってしまう」と泥沼に入ってしまうのだ。生活費をアテにした勝負を行うのが前提となっていく。生活費を投入せずに儲けを出した時にも「生活費を投入していればもっと稼げたはず」と、生活費を投入しなかったために得られなかった金額を「損失だ」と考えるようになる。これを繰り返した結果、高レバレッジで取引を始めるのだ。

FXで失敗原因2 高レバレッジでの取引

高レバレッジでの取引は、ハイリスク・ハイリターン、この一言に集約される。低レバレッジなら安全と言われているのは、儲けが少ないという点に目を瞑るならば本当だ。それでいいと思って始めた人も、何故か高レバレッジでの取引に踏み切ることがある。

理由はいくつかあって、最初の一つは低レバレッジだと「勝てるのに儲かっていない」という状況になるからだ。銀行金利などと比べれば明らかに高額になるが、例え毎日勝てるとしても、一日100円ずつしか勝てない時に儲けが出ていると感じる人はいないだろう。

そんな中で高レバレッジを試して、儲かることが分かってしまえば、もう元には戻れない。上げた水準を下げるのは難しいのだ。そして高レバレッジが当然になる。生活費を投入し、高レバレッジの取引を当然とする。これを読んでいる中にも、心当たりがある方がいるのではないだろうか。

FXで失敗原因3 損切りができない

次の失敗原因は、「損切りをしなかった、できなかった」事だ。これに至るにも理由がある。損失確定、つまり損をしたと認めるのが難しいのだ。自分でお金を捨てるということなので、拒否感が出て当然だ。しかしこれが冷静にできないと、FXの世界では破産する未来しか待っていない。

FXにはストップというシステムがあって「いくらまで下がったらor上がったら決済」というラインを決めることができる。これは最悪でも一定額の損で済ませられるが、その後に価格が戻っても損は損のままで確定するシステムでもある。何度かこういうことが続けば、次第にストップをキャンセルするようになる。そして損切りをしなくても大丈夫な場面が多いと知っていく。そして大きめの含み損が出ても、待っていれば助かると「自分に言い聞かせて」キャンセルを入れなくなるのだ。

FXで失敗原因4 運で取引をする

そして最後の失敗。「分析を放棄して運で勝負するようになる」。ここまで読んでいれば分かるように、FX初心者が最初に想定していたよりも甘い条件でも勝てる場面が多いのだ。ただそれは「確実に狙って勝つのが難しい」だけであって、「勝つか負けるかは運の要素の方が大きい」という事でしかない。

最初に決めていた「生活費を使わない」「低レバレッジでしか取引しない」「損切りをするためにストップをかける」という決まりを破っても、意外と勝てる。勝ち続けるうちに、運と実力を勘違いしてしまう。そして決まりを全部破ってしまった最悪のタイミングに大きな負けを食らう。これが破産へと突き進むFXの負の一面である。

これからFXをはじめようとする人に

運が悪い、と言えばそれまでである。だがそこに至るまでは、運良く勝ってきただけなのだ。小さな負けが出た時に損をしても、それを飲み込み「こういうパターンもあるんだな」と勉強代と思えれば、それは運ではなく経験に裏付けされた実力として身になっていくだろう。