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(写真=PIXTA)

資産運用を検討している方は少なくないだろう。だが、さまざまな種類の投資商品があり、それぞれに応じた知識も必要となるため、始めるのに二の足を踏んでしまう方もいるかもしれない。

主な投資先としては、株式や債券、為替や不動産等が挙げられるが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どの投資が自分に合っているか見極めることが重要だ。ここでは資産運用をするにあたって、検討したいポイントを3つに分けて簡単に説明しよう。

1, 投資と投機の違い

最初に、「投資」が意味するものと比較して紹介されることの多い「投機」について、株式投資を例に説明しよう。

株式投資とは、利益を得るために企業が発行する株式を売買することだ。投資家は株式を購入することで企業に対して出資し、企業はそのお金を事業資金として使う。企業はその事業を成長させて企業価値向上とそれに伴う利益を産むことを目指すのだ。その結果として、実際に株価が上昇し、配当金が投資家に還元されるため、中長期のスパンで取り組む投資家が多い。

一方の投機は投資家が資金を出すという流れは共通だが、短期的な株価の値動きをチャンスとして捉えて売買し、売却益を狙うというギャンブルの要素が高い。短期で利益が出る可能性があるものは値動きが激しいものが多く、リスクの高い手法と言える。また、出資するという性格の資金ではないため、企業の価値向上に寄与しない場合が多いことも特徴の一つだ。

2. インカムゲインとキャピタルゲインについて

次に収入の種類について紹介しよう。収入には大きく分けて、利子所得などのインカムゲインと、値上がり益などのキャピタルゲインがある。

インカムゲインは、資産を保有することで定期的に入ってくる、銀行預金の利子、株式の配当金などが該当する。定期的に収入が入ってくるのは魅力的だが、保有している資産のインカムゲインが下がった場合、支出とトータルしてマイナスになる可能性があることには注意が必要だ。

キャピタルゲインは、資産を売買して得られるものであるため、インカムゲインと比較してリターンが大きくなる傾向がある。ただし、インカムゲイン自体がマイナスになる可能性は少ないのに対し、キャピタルゲインを狙う場合は、売却価格が購入価格を下回るキャピタルロスに陥る可能性がある。

3. 投資商品の種類

投資商品の種類はさまざまあるが、主だったものを取り上げて説明しよう。

●株式投資
株式会社が発行する株式を購入する。キャピタルゲインである売買差益を目的とするか、インカムゲインである配当金を目的とするかは、市場の動向と投資家の意向によって異なる。個別企業の財務状況を正しく認識・予測する会計の知識や、どのような投資家がどのような理由で株式を購入・保有しているかなどにアンテナを張ることが必要だ。銘柄によっては、短期間に大きく価格が変動することも少なくなく、売買のタイミングにより、損益に大きな違いが出る。

●投資信託
複数の投資家から資金を集めて、株式や債券などの金融商品に投資をする。運用がうまくいった場合、投資信託の基準価額の値上がりと定期的な分配金が期待できる。ファンドマネージャーと呼ばれる運用者が組み入れる資産やその割合、売買タイミングを判断して運用するので、プロに任せて資産運用ができる。

また、個人では購入できなかったり、高額であったりする資産に投資できるのも投資信託の特徴だ。ファンドを通すことで購入できることに加え、複数の商品に分散投資ができたりする。運用がうまくいかなかった場合は基準価額が下がり元本割れする可能性があり、分配金を出さない投資信託もある。受け取る分配金以上に基準価額が下がっていれば、トータルリターンでマイナスになることには注意が必要だ。

●ETF(上場投資信託)
取引所が開いている時間であれば、株式と同じようにリアルタイムで売買ができる投資信託を指す。株式と投資信託の両方のメリットを持ち、投資信託と比べて低コストで売買・保有することができる。

●外国為替取引
米ドル、ユーロなどの外貨を売買する取引のことである。自国通貨高の際に外貨を購入し、自国通貨安の際に売却すれば、自国通貨建てで利益となる。外国為替証拠金取引の場合は、自国通貨が入らないペア(例えばポンド・ドルのペア)で為替取引が可能だ。また、通貨間の金利差によっても利益を生むことができる。これをスワップ金利という。

●個人向け国債
日本政府が発行している債券のことで、国債を保有していると年に2回利息が発生し、償還日には額面のお金が手元に戻ることになる。途中売却した場合も、既に受け取った利息と売却額面金額で元本を確保できるので、理論上日本では比較的安全な資産といえる。

●不動産投資
不動産を購入し、賃貸物件として第三者に貸し出すことで家賃収入を得たり、不動産価格の値上がり益を狙ったりするのが不動産投資だ。物件の善し悪しを判断する能力、断続的に物件価値を上げる努力が求められる。上記の投資対象と比べて、金融機関からの借入で購入できるケースが多く、自己資金以上の金額を動かすこともできる。ただ借入する場合は、返済費、管理費、修繕費、固定資産税など、留意するべきことも多い。(提供: みんなの投資online

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