ドイツ取引所は11月23日、FinTechスタートアップ、Figo と提携し、本格的なデジタル改革に参戦する意向を発表した。

金融機関用決済サービス指令(PSD2)API の開発で知られるFigoとの提携により、PSD2の導入が欧州連合 (EU) 産業にもたらす可能性の拡大に努めると同時に、FinTechに関する知識と経験を深める目的だ。

Figoは資金調達ラウンドで8億円の獲得成功

EU決済サービス指令(PSD)に代わる新たな規定として、2015年に採択されたPSD2。本来はEU圏での決済サービスを統合化・効率化を図ると同時に、コスト削減の意図で発足したものだ。EU加盟国には2017年までに国内法化が義務づけられている。

これにより銀行はビジネスモデルの見直しを余儀なくされ、生存競争のためのブランド力強化に向け、時代の流れに沿った新たな事業戦略の打ちだしに本腰をいれている。そうした変化にともない、金融産業のあり方自体が根本から生まれ変わろうとしている。フランクフルト証券取引所を管理・運営するドイツ取引所も、けっして例外ではない。

Figoが立ちあげた欧州初のバンキング・サービス・プラットフォームは、革命的FinTechソリューションとして、現在ドイツとオーストリアで550万件の口座と金融機関の架け橋的役割を果たしている。

両社の提携関係は、Figoが総額717万ドル(約8億920万円)を獲得した資金調達ラウンド、シリーズBから生まれた。ドイツ取所ベンチャー・ポートフォリオ管理部門の責任者、アンクル・カマリア氏は、Figoが転換期に突入した金融産業ですでに効果的なFinTechエコシステムを確立している点などを挙げ、「頼もしいパートナーになる」とスタートアップとの新たな提携関係を歓迎している。

またFigoにとってもドイツ取引所のような大口投資家の支援を受けることは、さらなる成長の助成となるに違いない。アンドレー・バジョラットCEOはFigoのウェブサイト上で、調達資金を元手に今後もPSD2や規制に沿った商品開発を拡大しつつ、自社を国際的なスケールに成長させる野望を語った。( FinTech online編集部

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