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(写真=Thinkstock/Getty Images)

ビジネスパーソンが取りたい資格の常連として挙げられる「簿記」。検定を主催している日本商工会議所(日商)が11月18日、日商簿記検定の「初級」を新設することを発表した。報道によれば、日商が簿記検定で新しい級を創設するのは実に56年ぶりだという。

「簿記」とは——企業財産の出納の管理・記録

企業における財産(資産や資本など)の出納を記録することを意味し、その技術を指す言葉だ。簿記検定の目的は、こうした技術の有無の客観的な判断だ。経理担当、会計担当には必要不可欠な検定である。

簿記は使われる分野・場所によって商業簿記や工業簿記、銀行簿記などいくつかの種類があるが基本はすべて同じだ。企業での財産の出入りを把握でき、会計知識や財務分析などにも活用できる。

簿記検定にはいくつかの種類がある

簿記検定にはいくつかの種類があり、それぞれ主催団体も異なる。例えば全国商業高等学校協会の「全商簿記」や、全国経理教育協会の「全経簿記」だ。特に有名なものが今回取り上げた「日商簿記検定」である。

日商簿記検定には1級から4級まであり、2015年度の受験者は1級が約2.2万人、2級が約22.9万人、3級が約32.3万人だ。試験は年2〜3回行われており(級によって異なる)、各級の合格率を過去3年分くらいみてみると、1級で8.8〜12.9%、2級は11.8〜41.6%、3級が26.1〜54.1%、4級は34.6〜49.3%だった。

合格率10%程度の難関・1級は、公認会計士や税理士といった仕事を目指す人にとっての登竜門ともなっている。

4級だけ受験者が突出して少なかった

日商は初級の設置と同時に4級の廃止することを発表した。他の級は受験者数が数万〜数十万人いるにもかかわらず、4級だけが年間2000人程度しか受験者がいないからだ。

4級は入門レベルに設定してあり、複式簿記の基本を理解し、記帳できるかを判断する検定だ。具体的には「次の取引(○○商店に対して、商品○○円分仕入れて、現金で支払った)を仕訳帳に記載しなさい」といった内容である。この例題は書き変えているが、こうした初歩的な問題が5問出題される。

このレベルであれば3級でも勉強をする内容であり、3級のほうが実務上でも使い勝手がいい。受験者数・受験率ともに低迷し、今回の廃止に至った。

新設される初級の狙いは受験しやすさか?

ただ新設される「初級」の出題範囲は4級と大差ない。簿記の基本原理や帳簿付けなどだ。初級の位置付けは「入門者向け」であることには変わりはないと言えるだろう。

新しい取り組みとしては、初級では「インターネット受験」が可能になる。今までの4級は年3回しか受験機会がなく「それなら3級を受験する」という人が多かっただろう。今回はそれをあらため、いつでも受験できるように変更した。ただネット受験は商工会議所が指定した専門施設でのみ可能。自宅受験はできないという。

こうしたインターネット受験は、適性検査である「SPI」や、情報処理資格である「ITパスポート試験」でも行われている。今後はこうしたインターネット受験が増える機会も多くなっていくかもしれない。

どの企業人にでも必要になる簿記の知識だからこそ、手軽に受験できるようになることは喜ばしい。今後、受験のしやすさが受け、受験者数が増えるかもしれない。(吉田昌弘、フリーライター)

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