イタリア,国民投票,EU
(写真=Thinkstock/Getty Images)

イタリアの憲法改正国民投票を目前に控え、ドイツ銀行の株がまたもや急落。今月中旬から15ドル(約1693円)台を維持していたが、第二のBrexitやトランプ氏勝利を恐れた弱気売りが先行し、再び14ドル(約1580円)台に落ちこんだ。ドイツ銀行の株価は過去1年間で、すでに半分以下にさがっている。

イタリアの国民投票結果が、「脆弱化が目立ち始めたユーロ圏の経済を決定的に崩壊させるのではないか」との懸念が、多方から上っている。

コンスタシオECB副総裁「市場を揺り動かすのは経済状況ではない」

実際のところ、イタリアが英国に続いてEUを離脱するとの公算は低い。しかし12月4日の国民投票で憲法改正支持派が過半数に満たなかった場合、マッテオ・レンツィ首相辞任の可能性が高まる。

レンツィ首相の敗北は、EU離脱と人民主義を掲げる政党、五つ星運動のさらなる飛躍を示唆する。五つ星のルイジ・ディマイオ下院副議長は、政権を握った暁にEU離脱を問う国民投票を実施すると公言している。EU崩壊の懸念を高める要因はここに根ざすが、現実となりうる可能性は極めて低い。

EU離脱に多大なる労力と犠牲がともなうことは、Brexitで証明済みである。またイタリアと英国が決定的に異なる点として、国民投票による国際条約破棄を禁じるイタリア憲法の改正問題が挙げられる。英国が経験している以上に、気の遠くなるようなプロセスだ。

主要銀行の総くずれで救済基金も集まらず、総額3600億ユーロの銀行不良債権に頭を悩ますイタリアに、EU離脱の余力が残っているとは想像し難い。つまり少なくとも現時点では、例えすべての国民がEU離脱を望んだとしても、Brexitを再現できる可能性はゼロに近い。Brexit、米大統領選以降は「世論調査は信頼できない」という見方が強いものの、スタンパ紙が21日に掲載した世論調査結果でも、離脱支持派は15%にとどまっている。

それではなにが市場を不安に駆りたてているのか。欧州中央銀行(ECB)のヴィクター・コンスタシオ副総裁は、「市場を揺り動かす原因となるのは政治的な不透明性であって、経済そのものではない」とコメント。

政権交代劇で揺れ動くイタリアへの不安感が、欧州最大のドイツ銀行の株を引きさげたということだ。イタリア国民投票同日にはオーストリアで大統領選が、2017年にはフランスでも大統領選が行われる。その都度、ユーロ市場は大きく変動することになるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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